老後のお金について解説する本連載。今回の相談者は、大手証券会社からの案内で5年満期のトルコリラ債券を購入した59歳のTさん。「年利10%」という好条件に魅力を感じて2,000万円を投じましたが、満期を目前に控えたいま、為替レートの変動によって資産を大きく減らしてしまっています。Tさんは、どうすれば失敗を避けられたのでしょうか。アルファ・ファイナンシャルプランナーズの代表取締役・田中佑輝氏が解説します。
(※写真はイメージです/PIXTA)
FPからのアドバイス
日本の金利はかなり低いため、年利10%と聞くとすぐにでも飛びつきたくなります。
10%もの利息をもらえるとなると、5年も持てば利息だけで50%。たしかに、先進国の債券であれば、半値ほどに落ちることは考えづらいため、為替が半額になってもトントンだという安心感を得てしまってもおかしくはないでしょう。
しかし、高金利の債券にはその分大きなリスクがあることを理解しておかなければなりません。Tさんが失敗した要因を振り返りながら、トルコリラ債券についての理解を深めましょう。
失敗した要因
今回、Tさんがトルコリラ債券で失敗した要因は下記3つです。
・当時のトルコ情勢を十分に把握していなかった
・債券だからリスクが低いと誤解していた
・高い為替手数料を理解していなかった
・債券だからリスクが低いと誤解していた
・高い為替手数料を理解していなかった
それぞれについて詳しくみていきます。