超低金利の現在、お金を増やしていくには、投資をすることが有効な選択肢となっています。もし、これから投資を始めるなら、できる限り、リスクを低く抑えられる方法、お得な方法を選びたいものです。では、具体的にどのような方法、商品を選べばよいのでしょうか。FPの横山光昭氏による著書『知識ゼロですが、無理なく増えるお金ルーティン教えてください。』(インプレス)から、一部抜粋して紹介します。
投資を始めるなら「つみたてNISA」「iDeCo」を利用しないと損するワケと、投資すべき「たった一つの商品タイプ」【FPの助言】 ※画像はイメージです/PIXTA

選ぶべき商品のタイプは「全世界株式インデックス」

リスクを分散しつつ、しっかりお金を増やしていくなら、全世界株式に投資する「インデックス型」の投資信託がおすすめ。複数の株式に投資できるので、この1本で十分です。

 

生徒:つみたてNISAやiDeCoではどんな商品が選べますか?

 

先生:主に投資信託が中心で、なかでも「資産・地域・運用方針」の違いでざっくり分けられるよ。資産とは株式や債券、不動産などの投資対象のことで、含まれている資産の割合で商品の性質が変わるんだ([図表6]参照)。

 

[図表6]「資産・地域・運用方針」の違い

 

生徒:どの資産が含まれている商品を選べばいいんでしょう?

 

先生:お金を増やしたいなら、債券よりもリターンが狙える株式中心の商品が向いているね。

 

生徒:地域というのは?

 

先生:投資対象の国や地域を指すよ。たとえば、米国中心なら経済成長の恩恵を受けられるけど、1ヵ国だと分散効果は低くなるね。

 

生徒:いろいろな地域に投資したほうが、リスク分散になるんですね。

 

先生:あとは、指数の動きと連動した運用を目指す「インデックス型」と、指数を上回る運用を目指す「アクティブ型」があるよ。

 

生徒:じゃあ、指数を上回る成果が出るほうがいいですよね?

 

先生:いや、アクティブ型は運用会社が工夫して運用するから、手数料が高くなるんだ。運用成果も実はそう変わらないしね。まとめると、全世界の株式に投資できるインデックス型の商品がおすすめ。

全世界に分散投資できる商品のメリット

最後に、全世界に分散投資できるインデックス型の商品のメリットをまとめておきましょう。

 

メリット1:手数料が安い

指数の動きに連動した運用を目指す「インデックス型」の商品なので低コスト。

 

メリット2:純資産総額が大きい

購入者が多く、投資信託の規模が大きいので、途中で運用終了となるリスクが低い。

 

メリット3:全世界の株式に分散

投資先が全世界に分散されているので、特定の地域の影響を受けにくい。

 

「指数」とは……基準になるものの意味で、投資では特定の証券取引所や銘柄群における株価の動きを示す。日本国内では日経平均株価やTOPIX、米国ではNY ダウやS&P500 が代表的な指数。

 

「純資産総額」とは……投資信託に含まれている株式や債券などから負債を差し引き、現時点の評価額を合計したもの。投資信託の規模を表しており、一般的に純資産総額が大きいほうが安定した運用を目指せる。

 

 

横山 光昭

家計再生コンサルタント

株式会社マイエフピー代表