人口が多く高校大学は受験戦争、就職時は不景気で就職難民……「谷間の世代」とすら揶揄される就職氷河期世代。49歳のMさんも、こうした時代の煽りを受け非正規で生計を立てています。Mさんは、このままでは結婚はおろか、自分ひとりの老後生活すらままならないと未来に絶望しています。果たしてMさんを救う手はあるのでしょうか、株式会社FAMORE代表取締役の武田拓也氏が解説します。
手取り月16万円、49歳の独身・非正規…年金月6万円で〈非モテ→貧困老人→孤独死〉の未来に絶望「明日なんて来なくていい」【FPが救助策を解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

「このままではダメだ!」とは思いつつも…49歳の独身・非正規男性の日常

Mさんは就職氷河期世代の49歳。高校大学は受験戦争。就職時は就職難民。就職浪人をした結果、さまざまな仕事を経験したいと考えて労働時間や勤務日数、勤務場所などが比較的自由に調整できる非正規社員を選択しました。

 

ただ、非正規社員なので福利厚生や社会保険、年金などが正規社員に比べて充実しておらず、収入も低い状態が続いています。このままでは国民年金のみの受給となるため、老後の収入は月6万円ほどです。ケガや病気のリスクを考えると、不安は増すばかり。

 

Mさん自身、途中で正規社員になることも考えましたが、好みの仕事内容がなく、責任があることも負担に感じていました。何度か正規社員の採用面接を受けましたが採用されず、結局は非正規社員として働いています。

 

休日は趣味のスロットへ通い、自炊をすることはほとんどなく家の近くのコンビニで弁当や総菜などを購入しています。給料日直後には自分へのご褒美に焼肉や居酒屋でプチ贅沢をするのが習慣です。しかし、給料日前になるといつも金欠になり、カード払いでなんとかやりくりをしています。

 

現状を改善しようと自己啓発セミナーへ参加したり、有料の副業コンサルティングを受けたりしますが、なかなか芽が出ずお金ばかりが出ていきます。

 

よりよい情報、商品があれば「今度こそは稼ぐことができる」と思い、高額な商材をリボ払いで購入していたMさん。

毎月2万円だけ返済すれば良いので、気になる商材があれば購入していましたが気がつくと利用額は100万円を超えていました。

 

100万円のリボ払いを毎月2万円(2万円に手数料を含む)ずつ返済していくと、月々の支払額2万円のうち、約1万3,000円が手数料となり元金は7,000円ほどしか減りません。手数料が元金を上回っている状態で、給料日前に毎回1万円ほどリボ払いを利用しているMさんの場合、月2万円を返済しているにもかかわらず、借金は増えていきます。

 

なんとか現状から抜け出すために筆者のところへ来訪されたMさん。現状をヒアリングしていた際、Mさんがつぶやいた「寝る前にふと将来のことを考えだすと、恐ろしくて震えます。明日なんて来なくていいのに」という言葉が印象的でした。