日本人の死因トップを占める病気、「がん」。「2人に1人がなる」ともいわれ、がんへの備え方として、多くの人ががん保険加入を選んでいます。そのようななか、がん保険でよく目にする「終身保障」という保険のタイプ。若いうちに加入すると安い保険料で一生涯保障で安心というイメージを持たれていますが、実はその本当の意味を知らないまま加入する人も多いと、CFPの谷藤淳一氏はいいます。今回は終身がん保険の注意点について、全身がんの40歳女性の事例とともにみていきましょう。
4年前の乳がん治療は「128万円」受け取れたが…全身転移した40歳女性、終身がん保険「支払い対象外」の悲劇【CFPが解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

がん保険は「入ったら一生安心」ではない

(※写真はイメージです/PIXTA)
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さまざまながん保険を比較して、自分に合うがん保険を選択して加入したとき、これでがんは安心という感覚を得られるかもしれません。そしてそのがん保険が終身保障タイプのものであった場合これで一生がん保険のことは気にしなくてもいいと感じるかもしれません。

 

ただ前述したように、がん保険の保障内容は時間の経過とともに陳腐化していく可能性があり、いざがんになってしまったときに、十分お金を受け取れない可能性があります。そして、いざというときに役に立たないがん保険にずっとお金を払い続けるということはお金のムダ払いであり、その保険のせいで家計状況を悪化させるという本末転倒な結果になる可能性があります。

 

まさにいま、来店型保険ショップなどで、がん保険に加入しようとしている方へお伝えしたいことが2つあります。

 

1. 継続的な情報収集と定期的な見直しが必要

がんに備えたいと考えたとき、多くの方ががん保険加入を考えるかもしれません。最初の入り口はそれでもよいのですが、がんに備えるためには常に最新情報を知ることが必要です。常に情報収集をしてがん治療の実態がどのようなものか知っていないと、がんの備えはできません。いま加入したがん保険はいまのがん治療の実態に合ったがん保険であるという認識を、がん保険加入時に持つ必要があります。

 

そして、時間の経過とともに、その時期のがん治療の実態と自分のがん保険の保障内容に、ズレが無いかどうか確認し、必要に応じてがん保険の見直しをしていく必要があります。

 

2. がん保険を相談するなら担当者の選択が重要

いままさにがん保険の相談をしている方は、是非この機会に

 

・がん治療の実態が変化してきていることを教えてもらえたか?

・がん保険は見直しをしていかなければならない可能性について説明を受けたか?

 

を確認してみてください。もしそういったことについて、まったく話がなかったということであれば、あなたのがん保険の担当者は、あまりがんについて知識を持っていない可能性があります。

 

自分でがんに関する情報を精査し、自分でがん保険のメンテナンスを行うことが難しい方は、がんのことをよく知る担当者に相談することをおすすめいたします。いまの担当者があまりがんに詳しくなさそうであれば、別の担当者、別のお店であらためて相談したほうがよいと思います。

 

がんの備えとして加入するがん保険。がん保険商品の選択だけでなく、担当者の選択という視点を持つことを筆者はお勧めいたします。

 

 

谷藤 淳一

株式会社ライフヴィジョン

代表取締役