「人間の仕事は、いずれAI(人工知能)に奪われていく」そのような声が叫ばれ始めてから、私たち人間しか成し得ない能力や役割が見直され、しばしば議論されるようになりました。AIと対峙するのではなく、相互補完し、新たな価値を生み出す未来について、専門家が詳しく解説します。※本稿は、テック系メディアサイト『iX+(イクタス)』からの転載記事です。
AIに「仕事を奪われる」ではなく、AIが「新たな仕事を生み出す」時代へ (※写真はイメージです/PIXTA)

着々と実用化が進むAI技術

人間の仕事は、いずれAI(人工知能)に奪われていく。近年のAIやITテクノロジーの著しい進化を見れば、そう危惧してしまうのも無理はないでしょう。

 

AIによって奪われる仕事、消えていく職業は何かといったテーマは度々メディアでも取り沙汰されています。(参考:https://www.ix-plus.com/column-005/)コンビニの無人レジやファミレスの配膳ロボットは、今後ますます導入が進む可能性があります。アメリカのサンフランシスコではすでに無人の完全自動タクシーが街を走っています。

 

昨年末にインターネット上に無料公開された対話AI「ChatGPT」の登場は、AI化が進んだ未来にぐっと近づく、大きな一歩のように思います。「ChatGPT」は疑問やキーワードを入力すれば、自然なコンテクストで適切な回答を返してくれるのです。従来の類似サービスより、人対人の会話コミュニケーションにおける再現性の高いプロダクトだと言えます。

 

この対話AIは、質問者に知識や情報を教えてくれるだけでなく、英文の校正や、論文の構成。さらに歌詞やフィクションの作成など、クリエイティブな作業も7カバーできます。いずれはGoogle検索に取って代わる、新たなインターフェースになる可能性を秘めています。

 

そのポテンシャルを証明するかのように、年明け早々、米マイクロソフトが「ChatGPT」を保有するAI研究団体「OpenAI」に100億ドル(約1.3兆円)を追加投資する方向で交渉中との報道がされました。マイクロソフトのCEOであるサティア・ナデラ氏が、AIを自社製品に取り込み、進化させようとしていることはテック企業のみならず他の企業にも参考になる動きです。

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

人間の仕事はAIによって一方的に奪われ続けるのか?

このように最近のトピックスをざっと見渡すだけでも、単純作業や一般事務が今後はAIに置き換えられていく可能性は極めて高いことが見て取れます。

 

では、人間の仕事はAIによって一方的に奪われ続けるだけなのでしょうか? 

 

もちろん答えはNOです。なぜならいつの時代も、消えるものがあれば、必ず新たに誕生するものもあるからです。ビジネスパーソンが注視すべきは、AIや新たなテクノロジーによって淘汰されていくものではなく、それによって新たに生まれる領域を見極めることに他なりません。