不動産にかかる固定資産税は、施設の増改築により変動する可能性があります。特にアメリカやヨーロッパではプールやパーゴラ(日除け棚)など、日本では固定資産税が課税されない設備にも課税される場合があります。バレないだろうとあえて申告しない人が少なくないようですが、今後AIの力により不正は難しくなるかもしれません。みていきましょう。

AIが未申告のプールを発見

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フランスの公共財政総局(DGFiP)は、2021年10月移行、20,000箇所を超える未申告のプールを発見したことを発表しました。これにより約1,000万ユーロの固定資産税を追加徴収できると言います。

 

プールを見つけるにあたって使用したのは、Googleのオープンソースソフトウェアで、DGFiPとフランス国内のコンサルティング会社Capgemini社が共同開発したアルゴリズムで動きます。同ソフトは、公開されている衛星画像から建物周辺のプールを検出し、政府の資産記録(固定資産の配置やサイズが記録された地図)を照らし合わせ、未申告プールと疑わしき施設をリストアップ。最終的には、職員が現地に出向き確認しています。リストアップされた施設のうち、実に94%が未申告のプールであるというから驚きです。

 

現在はプールの発見に特化してますが、増築されたベランダや小屋、車庫、パーゴラなども検出できるようにアップデートに取り組んでいると言います。

固定資産税の”払いすぎ”も防げる

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別名「ストーンウール」とも呼ばれるロックウールは、岩の羊毛という名前の通り、鉱物からつくられた綿状の人造鉱物繊維です。

 

高い断熱性能はもちろん、鉱物由来であることから耐火性、耐食性、撥水性などにも優れ、圧縮強度も高いため建材に向いています。健康被害などが危惧された「石綿(アスベスト)」とは別物で、ロックウールには高い安全性も認められています。

 

ロックウールの歴史は古く、この素材のリーディングカンパニーであるデンマークの企業ROCKWOOL社は1937年に創業。日本法人ROCKWOOL Japanは2021年に福島県に設立され、日本国内での知名度もこれから増していくものと思われます。

フランス以外でも、同様のソフト導入は遠くない

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同ソフトウェアの活用に対して、フランスの税務関係職員組合の一部は慎重論を唱えています。彼らは、ソフトウェアの検出結果を確認する業務の担当者のみに人員削減されるのではと危惧しており、正確な税徴収には地域社会について長年の知識を持っている徴税人や測量士による現場作業が欠かせないと主張しています。

 

しかし、プールの検出についてはすでに高い精度に達しており、未申告施設を効率的に発見する助けになっているのは明らかであるため、同ソフトウェアがフランス以外の税務当局に採用される(または似たようなツールを独自開発する)日はそう遠くないと思われます。

 

不動産投資家にとってみると、資産のごまかしがこれまで以上に難しくなります。海外の物件に関しては、ごまかすつもりがなくとも、知識不足や手続きの手間からついつい申告漏れをしてしまうというケースもあるでしょう。申告漏れのペナルティが課されることもあるので、万全を期すには、現地事情に詳しく、手続きにも慣れたプロに委託するのが無難です。

本記事は、富裕層のためのウェブマガジン「賢者の投資術」(Powerd by OPEN HOUSE)にて公開されたコラムを、GGO編集部にて再編集したものです。