約25年前に「定期保険特約付き終身保険」に加入したという50代会社員男性。特約部分の満期を理由に保険会社から受けた「見直しの提案」には応じるべきなのでしょうか? サンモールFP事務所代表の辰田光司氏が解説します。
50代会社員、25年前に加入した「定期保険特約付き終身保険」見直すべきか?【CFPが解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

「転換」以外の見直し方法

「保険の見直し」には、「転換」以外にも以下の方法があります。保障額を増やしたいときや、新しい保障も加えたいときは、次の方法があります。

 

1.保険の「追加契約」をする。

2.「特約の中途付加」をする。


1は、いまの生命保険にプラスして、新しく生命保険に入る方法です。さまざまな保険会社・保険商品のなかから不足分を補うものを選んで加入できます。2は、いま加入している生命保険に特約を付ける方法です。比較的小口の保障額で中途付加できる可能性があります。

 

どちらも告知または診査が必要であり、特約の保険料は、一般的に中途付加するときの年齢や保険料率で計算されます。

 

逆に、いまの生命保険を続けたまま保障額を減らしたいときは、次の方法があります。

 

1.保険の「減額」をする。

2.「特約の解約」をする。


1は、主契約や特約の保障額を減らす方法であり、これにより保険料を安くすることができます。また、貯蓄型の保険ですと、減額分(一部解約する分)の解約返戻金が受け取れる場合もあります。ただし、主契約を減額した場合には、特約の保険金や給付金も減ることがありますので、保険会社に確認しましょう。

 

2は、主契約に付けている特約を解約する方法です。これにより解約した特約分の保険料が安くなります。ただし特約の種類によっては、ひとつの特約を解約すると、他の特約も同時に解約となる場合がありますので、保険会社に確認しましょう。

「保険の見直し」は複数ある方法から選ぶ

「保険の見直し」には、いくつか方法があることをお話ししました。先のご相談のケースでは、「転換」のほかにも、たとえば「定期保険」を追加契約しながら「終身保険」を必要に応じて一部減額し、その解約返戻金を保険料に充てる方法なども考えられるでしょう。

 

保険会社から「保障の見直し」を提案されたときは、保険料はもちろん、保障内容が転換前と転換後でどのように変わるのかをよく確認し、「転換」以外の方法も検討したうえで、納得して契約することが大切です。それがよく分からないときは、有利に思えたとしてもすぐに応じず、中立的な(保険を販売していない)ファイナンシャルプランナー(FP)にご相談することをお勧めします。


 

辰田光司

サンモールFP事務所

代表