韓国から世界へと活動の幅を広げ、グローバルなK-POPスターとして、人気を集めるBTS。
「Dynamite」や「Butter」など数多くの楽曲を発表している彼らですが、BTSを代表する楽曲に「Anpanman(アンパンマン)」という名前の曲が存在しています。
日本人にとって「アンパンマン」といえば、やなせたかし作の国民的アニメが頭に浮かびますが、一体この2つに関係性はあるのでしょうか。
BTSの「Anpanman」と日本との関係について気になった方はぜひ参考にしてください。
1. BTSについておさらいしよう
K-POPに関心が集まり、日本でもテレビやネット上で、BTSの名前が広く知られるようになりました。名前をよく目にするBTSですが一体どんなグループなのか、まずはおさらいしましょう。
1.1. BTS(ビーティーエス)は世界的な人気を誇る韓国の音楽グループ
BTSは2013年に韓国でデビューした、7人組のK-POPボーイズグループです。
彼らは韓国国内のみならず、グローバルに活動を展開しており、アメリカ3大音楽授賞式の「グラミー賞」では2年連続で受賞候補に上がり、国際的な人気を証明しています。
現在BTSという名前で親しまれている彼らですが、デビュー当時は「防弾少年団」という名前で主に活動をしていました。
この名前には「若い世代に向けられる社会的な偏見や抑圧を防ぎ、自分たちの音楽や考えを守り抜く」という意味が込められており、2017年からはさらに「Beyond The Scene」、すなわち「現在に安住せず夢に向かって絶えず成長していく青春」という新たなコンセプトが付け加えられています。
1.2. BTSの個性的な7人のメンバーを紹介
・RM
RMはBTSのリーダーであり、メインラッパーを担当しているメンバーです。英語を流暢に話すことができ、作詞作曲能力も高く、BTSの楽曲作成に携わっています。
・SUGA
SUGAはリードラッパーを務め、RMと同様に作詞作曲も手がけています。落ち着いた雰囲気が印象的ですが、パフォーマンス時には、並外れたカリスマ性を発揮します。
・JIN
JINはBTSの最年長メンバーで、サブボーカルを担当しています。落ち着いた美しい声色が人気で、自他ともに認める整ったビジュアルを誇っています。
・J-HOPE
いつも明るく、元気なエネルギーを与えてくれるJ-HOPEは、メインダンサーでサブラッパーを務めています。BTSのムードメーカーです。
・JIMIN
優しい性格と柔らかい笑顔が人気のJIMINはリードボーカル、メインダンサーとして活躍しています。現代舞踊を習っていた経験から、しなやかなダンスを得意としています。
・V
BTSのビジュアル担当であり、サブボーカルを務めるVは低音ボイスが魅力的なメンバーです。大人っぽい雰囲気を持っていますが、実は天然なところも愛されるポイントです。
・JUNGKOOK
JUNGKOOKはBTSの最年少メンバーでありながらメインボーカルを務め、ダンス、ラップ、楽曲制作をなんでもこなすオールラウンダーです。そのため、黄金マンネ(末っ子)というあだ名で愛されています。
2. BTSの人気曲「Anpanman」とは?発売日など詳細を紹介
BTSの人気曲であり、ファンからも愛されている「Anpanman」ですが、一体どんな楽曲なのでしょうか。詳細をチェックしていきましょう。
2.1. 作詞作曲にBTSメンバーが参加している
「Anpanman」の作詞作曲には、BTSのメンバーであるRMとSUGAが参加しており、さらにはBTSの所属事務所HYBEの創業者で、音楽プロデューサーを務めるパン・シヒョクPDも制作に携わっています。
他にも音楽家のPdogg、Supreme Boi、Jinboの3人が楽曲クレジットに名を連ねており、「Anpanman」は、作詞作曲どちらもBTSメンバーを含めた6人で制作されたことが明らかになっています。
2.2. 収録アルバムは「LOVE YOURSELF」
2022年9月時点で、「Anpanman」が収録されているアルバムは3rdフルアルバム「LOVE YOURSELF 轉 ‘Tear’」と4thリパッケージアルバム「LOVE YOURSELF 結 ‘Answer’」の2つです。
「LOVE YOURSELF 轉 ‘Tear’」は、2018年5月1日にリリースされ、BTSはこのアルバムでアジア圏出身アーティスト初となる米ビルボード・アルバムチャートで1位を獲得するという快挙を成し遂げました。
もう一方のアルバム「LOVE YOURSELF 結 ‘Answer’」は、2018年8月24日に発売され、こちらも「LOVE YOURSELF 轉 ‘Tear’」に続き、ビルボードチャートで1位に輝いています。
2.3. 日本語バージョンは発売されていない
BTSは2014年6月4日に日本デビューをしており、彼らは「Film out」など日本オリジナル曲を数多くリリースしてきました。
さらにそのほかにも、韓国でリリースしたオリジナル楽曲「血、汗、涙」、「DNA」、「Boy With Luv」などを、日本語バージョンに変えて発表しています。
しかし、2022年9月時点で「Anpanman」の日本語版はなく、韓国語版のみが公開されています。
2.4. BTSのライブの定番曲として愛されている
「Anpanman」は、BTSのライブで歌われることの多い定番曲としても知られています。韓国語版のみの「Anpanman」ですが、日本でのライブでも披露されており、ファンに愛されている楽曲です。
2018年11月に東京で行われた「BTS WORLD TOUR 'LOVE YOURSELF'~JAPAN EDITION~」や、2019年7月に大阪で開催された「BTS WORLD TOUR ‘LOVE YOURSELF:SPEAK YOURSELF' - JAPAN EDITION」でも、ファンが盛り上がりを見せるアンコール部分で「Anpanman」が歌われています。
3. BTSの「Anpanman」とアニメ「アンパンマン」の関係は?
BTSの「Anpanman」について詳しく見てきましたが、日本の国民的アニメ「アンパンマン」と、BTSの楽曲は一体、直接的な関係があるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
3.1. アニメ「アンパンマン」をモチーフにして作られた楽曲だと判明!
実はBTSの「Anpanman」は、日本のアニメキャラクター「アンパンマン」をモチーフにして作られています。
作詞作曲にも携わっているリーダーのRMは、2018年5月28日に行われたファンに向けたVLIVEで「アンパンマンは世界で1番弱い英雄で、頭を取ると力が減っていきます。体つきもよくないし、体力もありません。特別な技術もないです。だけど今日も一生懸命頑張るAnpanmanの話です」と、曲について言及しています。
それだけではなく、「アンパンマンは弱いです。でもバイキンマンには打ち勝ちます」とも語っており、日本で馴染み深い「アンパンマン」のストーリーをしっかり理解していることが伝わってきます。
3.2. 歌詞にはアニメ「アンパンマン」を連想させる部分が複数ある
実際に「Anpanman」のなかにはアニメの「アンパンマン」を連想させる歌詞が、複数登場します。
「Anpanman」は、「すごい力は持っていないけど、僕たちには歌がある。してあげられることは、アンパンをあげること・お疲れ様と声をかけるだけ。だけど、君のヒーローになりたい。呼んでくれたらすぐに飛んでいくよ」というBTSの聴き手に向けた想いが込められています。
BTSのRMは楽曲「Anpanman」について「BTSのアイデンティティー」と語っており、1番BTSらしい歌であると明かしています。BTSの想いと、アンパンマンキャラクターのモチーフを掛け合わせて完成した楽曲が「Anpanman」であるようです。
3.3.「Anpanman」のダンスは日本人が振り付けを担当
歌だけではなく、BTSの息の揃ったパフォーマンスも魅力の「Anpanman」ですが、実は振り付けを担当しているのは日本人の振付師であることが明らかになっています。
振り付けを行ったのは、ダンサー兼振付師として活躍する日本人のRIEHATAです。彼女は2010年にダンサーとしてレディー・ガガのバックダンサーを務めた経験もあり、世界を股にかけて活動を行っています。
BTSの楽曲以外にも、BLACK PINKのLISAの「MONEY」や、TWICE「SIGNAL」などK-POP界の有名曲を数々手がける振り付けのスペシャリストです。
BTSの「Anpanman」のダンスにも「アンパンマン」を連想させる振り付けが採用されており、メンバーがヒーローのように両手を斜め上に突き出す場面や、RMが勢いよく頭をちぎり、ジミンに受け渡す振り付けがアンパンマンを象徴しています。
4. BTSはアニメ「アンパンマン」のファン?
自身の楽曲のモチーフとしてアニメ「アンパンマン」を取り入れたBTSですが、彼らはどこかで「アンパンマン」と関わる機会や、深い接点があったのでしょうか。
4.1. 別の楽曲「IDOL」にもアンパンマンが登場していた!
実は「アンパンマン」という言葉が登場するBTSの楽曲は、「Anpanman」だけではありません。「Anpanman」が収録されているアルバム「LOVE YOURSELF 結 ‘Answer’」のタイトル曲「IDOL」の歌詞にも「アンパンマン」が使われています。
そのため、振り付け部分でも、アンパンマンを連想させるパートがあるといわれることも。
実際に、この楽曲の振り付けを担当した振付師も「Anpanman」と同じRIEHATAであることから「アンパンマン」を連想した振り付けを取り入れている可能性も、十分あると考えられます。
4.2. 実はBTSにはアニメ好きメンバーが多い
BTSはこれまでのインタビューなどで、日本のアニメに言及しており、アニメ好きなメンバーがいることでも知られています。
2018年10月に公開された、YouTubeチャンネルNoicyのBTSインタビューでは、質問で「ワンピース」「ドラゴンボールZ」「ナルト」の日本を代表する3つのアニメ作品が提示され、メンバーはそれぞれにお気に入りのアニメを声高らかに口にしました。
そのなかでもRMは、ポケモンのキャラクターであるカイリューがお気に入りであると、身振り手振りでアピールしました。さらにJUNGKOOKは、2016年に行ったVLIVEで、アニメ「ハイキュー!!」について言及しており、アニメを視聴していることを明らかにしています。
5. 韓国でもアニメ「アンパンマン」は大人気
日本では国民的アニメといわれるほど知名度が高い「アンパンマン」ですが、韓国でも人気があるアニメなのでしょうか。
5.1. 韓国でも「アンパンマン」が放映されている
「アンパンマン」は子ども向けのアニメとして、世界各国で放映されており、韓国も例外ではありません。
韓国では日本のアニメが日常的に放送されており、「アンパンマン」もたくさんの人々に愛されているようです。
幼少期に見ることが多いため、韓国でも「アンパンマン」が昔の思い出として刻まれている人もいます。そのためBTSは、幼いころに見た身近なヒーローである「アンパンマン」を楽曲に取り入れたのだと考えられています。
5.2. 韓国で「アンパンマン」と発音しても通じない?
BTSの「Anpanman」には、「アンパンマン」の名前がそのまま登場しますが、実は韓国語版のタイトルは「호빵맨(ホッパンメン)」。
そのため、日本語のまま発音しても韓国の人には通じません。
「호빵(ホッパン)」とは、韓国語で中華まんやあんまんのことを意味します。
韓国でアンパンマンは「호빵맨(ホッパンメン)」ですが、バイキンマンは「세균맨(セギュンメン)」、ジャムおじさんは「잼아저씨(ジェムアジョシ)」と呼ばれています。
なお、バイキンマンの「세균맨(セギュンメン)」は、直訳すると「細菌マン」です。
6. アニメ「アンパンマン」の名称、使っていいの?著作権の問題は?
日本のみならず、韓国でも知られている「アンパンマン」ですが、楽曲に「アンパンマン」の名称を使うことは問題にならないのでしょうか?
著作権の問題について見てみましょう。
6.1. アニメ「アンパンマン」の名称を使うことで著作権の問題はない
BTSの「Anpanman」は人気曲であり、音楽番組などでも披露されていますが、その一方でアンパンマンの楽曲が著作権に引っかかってしまうのではないかと、心配の声も上がっていました。
しかし、ネーミング単体であれば、基本的に著作物に該当せず、著作権が発生することはないと考えられています。そのため、名称利用に関するトラブルなども起こっていないようです。
6.2. アニメキャラクターの名称の著作権の仕組みはどうなっているのか
名称利用だけであれば、著作権が発生しないことが明らかになりましたが、なんでも自由に許可なくアニメキャラクターの名称を利用できるわけではありません。一体アニメキャラクターの名称に関する著作権の仕組みは、どのようになっているのでしょうか。
実はキャラクターそのものには著作権がなく、キャラクターを具体的な形で表現すると著作権が発生すると決められています。
そのため、キャラクターの造形ではなく、名称だけの場合、著作権侵害とならない可能性が高いのです。
しかし、キャラクターの名称が「商標登録」されている場合は、著作権侵害にはならなくても「商標権」の侵害を問われる可能性があるので細心の注意が必要です。
7. まとめ
本記事ではBTSの人気曲「Anpanman」と、国民的アニメ「アンパンマン」の関係性について解説しました。
韓国の人気アイドルの楽曲に「アンパンマン」という言葉が登場し、さらには日本とも深い関わりがあったことに、驚いた方も多いのではないのでしょうか。
気になった方は、ぜひ改めてBTSの「Anpanman」を確認してください。