娘の行動に理解が追いつかず、戸惑うばかりで頭を抱える日々。「私がダメな母親なの?」と自分を責めることもありました。夫ともすれ違い、言い争いに……しかしその後、ある試みがきっかけとなり、夫にも娘に対する責任感が出てきました。発達障害の娘を育てる古都コト子氏が、著書『発達凸凹っ子に英才療育?してみた 生後0日からの子育てバトル』(飛鳥新社)でエピソードを紹介します。
発達障害の娘を理解しない夫…ワンオペ育児で限界の妻がとった「ある試み」 (※写真はイメージです/PIXTA)

保育士さんも「ギブアップ」…動き回る娘に頭を抱える日々

娘が動き回れるようになってくると、スマホに目を落とす余裕もなくなってきました。メッセージを確認しようとしても、その隙に危険な行動をしてしまうからです。なので、メールの返信さえも、夫に娘を任せたり、娘が寝ている間に行ったりしていました。

 

特に外では両手で捕まえていないと難しい場面も多かったので、常に両手を開けていました。買い物も出来ません。

 

ネットショッピングやネットスーパーがなければ、生活にも困っていたと思います。0歳の頃、初めて一時保育に短時間預けた時に、保育士さんから「ギブアップ」と言われた事もあり、当時は人に預けるという選択肢もなくなっていました。

 

また、多動や注意欠如の特性だけでなく、大きな声で奇声をあげ続けたり、池に飛び込んだり、クルクル回ったり、つま先歩きをしたり……目立つ行為も多くありました。

 

今思えばそれらの行為も、本人にとっては発声の練習だったり、感覚の試し行為であったり、全て意味があったのですが、当時の私にはそのような理解がまだなくて、目立つ行為はやめてほしい、どうしてそういう事をするのかと、日々頭を抱えていたのでした。

ワンオペ育児も限界…「親子療育」で夫と悩みを共有できるように

1日中一緒にいる私ですら理解出来ないくらいですから、夫にとっては更に理解不能だったようです。夫とは仕事の関係ですれ違いが多かったので、当初は育児はほぼ私が行っていました。

 

ただ、娘とこの先も一緒にいる以上、夫にも娘の事を理解してもらう必要があると強く思ったので、何度も話し合いをして娘の状態を伝えました。それでも困り感が伝わらず、言い争う事もありました。

 

そこで思い切って、夫が休みの日はほぼ娘を任せるようにしてみました。

 

しばらくはどうしていいのか分からない様子でしたが、子育てが初めてなのは母親も同じです。試行錯誤しながら子どもの事を分かっていくものだと思うので、夫なりの接し方に任せました。そうしていくうちに、夫にも娘に対しての責任感が出てきて、困り感も共有出来るようになっていきました。

 

最も効果があったと思うのは、親子療育に夫と娘の2人で行ってもらった事です。親子療育に来ているのはほぼ全員と言っていいほどお母さんたちでした。そこに夫と娘、2人だけで行ってもらったのです。

 

朝から午後までの活動でお弁当もお母さんたちの中に混ざって食べてもらい、かなり浮いていたと思います。でも、普段の活動内容や娘の集団の中での様子も見えて、理解も深まりました。家族の理解はとても大事なので、夫が行動してくれて良かったと思います。

 

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古都 コト子

インスタグラマー