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高い配当金を出している企業の株式を数多く保有して配当金を受け取れば、生活費の一部に充てることもできます。この記事では、「配当金生活」の特徴と、メリット・デメリットを中心に解説します。
1. 配当金とは
配当金とは、企業が株主に対して所有する株式数に応じて利益を配分するお金のことです。通常、配当は決算期末に行われますが、特別に利益が多かった年や記念すべきときには「特別配当」や「記念配当」など、通常の配当金に上乗せしたり、区別したりすることがあります。
ただし、配当金は常に支払われるわけではなく、赤字の場合や会社の方針によって支払われない場合もあるので注意が必要です。
2. 配当金生活とは
配当金生活とは、株式投資などによる配当金収入のみで生活することです。
株式の値上がり益が得られるのは売却時の一度だけですが、配当金は無配でない限り、毎年(または毎期)受け取れます。そのため、生活費を賄うための収入源の一部にもなります。ただし、株式に投資した資金が減らないことが前提です。
老後の資金を配当金で賄おうとした場合、その原資はどの程度必要でしょうか?
この点を考えるために、まずは資金のうち何割が配当金になるのか「配当利回り」を見ておきましょう。配当利回りは1株あたりの配当額を株価で割ったもので、配当利回りが3%を超えると「高配当銘柄」といわれます。
たとえば、配当利回り3%の株式を1,000万円保有している場合の配当金の計算は、次の通りです。
1,000万円×3%=30万円
毎年30万円を配当として、受け取ることになります。ただし、配当金には20.315%の税金がかかるので、手取りはこれよりも少なくなります。
3. 配当金生活のための生活費を考える
配当金生活に必要な資金を計算するには、生活費がいくらかかるかを想定してみましょう。
毎月の生活費が30万円だとすると、年間360万円の配当金が必要です。
- 配当利回り3%の場合:360万円÷3%=1億2,000万円
- 配当利回り4%の場合:360万円÷4%=9,000万円
- 配当利回り5%の場合:360万円÷5%=7,200万円
の資金が必要になります。しかし、これは税金控除前なので、実際の手取りは8割程度(360万円×0.8=288万円)になります。つまり、配当金生活をするため、まとまった額の資金が必要になるのです。
そして、生活費が2倍の60万円になれば、配当金も2倍にしなければなりません。また、配当金を得るためには、2倍の投資資金が必要です。つまり生活費に比例して、必要な配当金と投資資金が増えていきます。
4. 配当金生活のメリット
配当金生活のメリットを解説します。
4.1. 安定的な収入が期待できる
株式投資の難しさは、株価が常に変動しているため、将来の株価予測が難しいことです。そして、購入した銘柄の株価が上下するため、売買のタイミングを見極めるのが難しく、将来の業績を予測するのも大変です。
一方、配当金は「減配」リスクはありますが、ある程度安定しているというメリットがあります。ただ、安定した配当金生活を送るためには、なるべく減配リスクが少なく、安定的な配当が期待できる銘柄を選ぶことが大切です。
4.2. 株価が暴落しても安心して保有できる
配当株に投資するメリットは、暴落時にも一定の安心感を持って取引できることです。株価が大きく下落すると「いつ株価が戻るのか」「もっと下がり続けるのではないか」という恐怖感から売却してしまう投資家が多くなります。
一方で配当金は、株価が下がって将来が不透明なときでも、一定の配当による現金収入があるという安心感があります。もちろん、配当が減る可能性もありますが、それでも株価が下がったときに配当があるというのは非常に大きな安心感となるのです。
また、暴落を高配当銘柄の買い増しチャンスと捉える人もいます。すでに述べたように、配当利回りは「1株あたりの配当金を株価で割ったもの」なので、株価が下落すると配当利回りは高くなるからです。暴落によって配当利回りが高くなった銘柄を買うというのも、配当株投資ならではのアプローチといえるのです。
5. 配当金生活のデメリット
配当金生活のデメリットについても解説します。
5.1. 減配リスクがある
配当は約束されたものではなく、業績が悪化すれば減配や無配になる可能性もあります。そうなれば、ほぼ間違いなく株価は下がるので注意が必要です。一方、創業記念日などの「記念配当」によって一時的に配当利回りが上がるケースもあります。つまり、現在の配当利回りだけで企業を選ぶのは危険なのです。
財務内容や収益基盤がしっかりしているか、今後も安定的な配当を望めるのかをチェックすることが大切です。
5.2. 株価が下落する可能性がある
配当金生活のデメリットとして、保有銘柄の値下がりによる資産価値の減少が挙げられます。受け取る配当金以上に資産価値が減少すると、資産総額がマイナスになるので注意が必要です。
6. リスク軽減のための分散投資
リスクを軽減するためには、分散投資が必要です。分散投資は、投資対象を分散させ、資産運用に伴う価格変動のリスクを低減させることで、好調なリターンを得るための有効な手段です。
1つの金融資産だけにすべての資金を集中させると、その資産のパフォーマンスが悪化した場合、ポートフォリオ全体に悪影響が出ます。しかし、値動きの異なる複数の資産に資金を分散させれば、リスクを低減させて安定したリターンが期待できます。
配当利回りとリスクのバランスをよく考えて投資ポートフォリオを選択しても、投資リスクをゼロにすることはできません。ただ、配当金生活には安定した配当金収入が必要ですので、リスクを軽減するために分散投資するようにしてください。
7. 日本の高配当銘柄3選
一般に配当利回りが3%以上の株を「高配当利回り銘柄」といいます。日本の高配当銘柄3選を紹介します。
7.1. 日本郵船(9101)
- 株価:10,710円(2022年8月24日終値)
- 予想配当利回り:13.40%
海上輸送の国内トップ企業です。郵船ロジスティクス、日本貨物航空を傘下に置き、陸上・航空輸送を強化。2018年4月にコンテナ船事業を統合しました。予想配当利回りが13.4%と高く、株価も堅調に推移しています。
7.2. JT(2914)
- 株価:2,370.5円(2022年8月24日終値)
- 予想配当利回り:6.33%
タバコが事業の中心で、M&Aにより海外のタバコ事業を拡大中です。また、食品や医薬品も展開していますが、飲料事業からは撤退しています。
7.3. 武田薬品工業(4502)
- 株価:3,810円(2022年8月24日終値)
- 予想配当利回り:4.54%
日本最大の製薬会社で、がん、中枢神経系、希少疾病に注力しています。巨額買収により売上高世界トップ10の製薬会社となりました。予想配当利回りが4.72%と高く、高配当銘柄として人気があります。
8. 米国の高配当銘柄3選
米国の高配当銘柄も、日本の投資家に人気があります。米国の高配当銘柄を3つ紹介します。
8.1. AT&T(T)
- 株価:18.30ドル(2022年8月19日終値)
- 配当利回り:6.07%
AT&Tは、米国の電気通信持株会社です。主に携帯電話事業に従事し、子会社のAT&Tモビリティを通じて、米国内の企業や個人に市内および長距離の携帯電話やローミングサービスを提供しています。
8.2. エクソン・モービル(XOM)
- 株価:89.63ドル(2022年8月19日終値)
- 配当利回り:3.93%
エクソン・モービルは、米国最大のエネルギー企業です。原油や天然ガスの探鉱・生産に加え、石油製品の製造や原油・石油製品の輸送など、エネルギー関連事業を行っています。
8.3. ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)
- 株価:44.92ドル(2022年8月19日終値)
- 配当利回り:5.70%
ベライゾン・コミュニケーションズは、大手電気通信サービス・プロバイダーです。子会社のベライゾン・ワイヤレスを通じて、全米でワイヤレスの音声・データ通信サービスや電子メール、携帯電話の販売、コンテンツ配信サービスなどを提供しています。