厚生労働省から2021年の『簡易生命表』が発表され、最新の平均寿命や、その年齢時点の平均余命などが明らかになりました。これらは自身の健康のほか、老後のマネープランについて考えるきっかけになるもの。最新のデータをもとに考えていきましょう。
平均寿命「女性87.57歳、男性81.47歳」だが…定年後「夫婦で25年生きる」ときに必要な衝撃の貯蓄額 (※写真はイメージです/PIXTA)

日本人の寿命…2011年、東日本大震災以来縮まる

先月末、厚生労働省から『令和3年簡易生命表』が発表となり、日本人の最新の平均寿命が明らかになりました。それによると、2021年の日本人の平均寿命は女性が87.57歳、男性が81.47歳で、前年比で女性は0.14歳、男性は0.09歳縮みました。平均寿命が短くなるのは、東日本大震災の起きた2011年ぶりとのこと。

 

【日本人の平均寿命の推移】

1990年 :75.92歳/81.90歳/5.98歳

1995年:76.38歳/82.85歳/6.47歳

2000年 :77.72 歳/84.60歳/6.88歳

2005年:78.56歳/85.52歳/6.96歳

2010年 :79.55歳/86.30歳/6.75歳

2015年 :80.75歳/86.99歳/6.24歳

2020年 :81.56 歳/87.71歳/6.15歳

2021年 :81.47歳/87.57歳/6.10歳

 

出所:厚生労働省『令和3年簡易生命表』より

※数値左から、男性平均寿命、女性平均寿命、平均寿命男女差

 

平均寿命の前年との差に対する死因別寄与年数(死因のために平均寿命が変動した年数)をみていくと、新型コロナウイルス感染症などで男性は-0.10歳、女性は-0.07歳でした。新型コロナウイルス感染症などが平均寿命の引き下げに大きな影響を与えたことがわかるでしょう。

 

また死因別死亡確率(生命表上で、ある年齢の者が将来どの死因で死亡するかを計算し、確率の形で表したもの)を見ていくと、0歳では男女とも「悪性新生物<腫瘍>」が最も高く、次いで、「心疾患(高血圧性を除く、以下同じ)」「脳血管疾患」「肺炎」と続いていきます。一方、65 歳では男女とも「悪性新生物<腫瘍>」の死亡確率が低くなり、「心疾患」の死亡確率が高くなり、75歳、90歳ではさらにこの傾向が強くなります(関連記事:『死因別死亡確率…将来どの死因で死亡するか?』)。

 

さらにある年齢であと何年生きられるかという「平均余命」もみていきましょう。たとえば50歳の場合、男性で32.93年、女性で38.61年。男性で65歳の場合、男性は19.85年、女性は24.73年生きられるのが平均値となります。また平均余命についても、平均寿命同様、前年を下回りました(関連記事:『【最新】あと何年生きられる?年齢別「平均余命」早見表』)。