海外活用 海外移住 スペシャルインタビュー
株式会社アエルワールド
連載海外移住コンサルタントが教える「移住・ビザ」最新事情【第6回】

プログラム変更後も人気を誇る「ポルトガル・ゴールデンビザ」…世界中の投資家や著名人を魅了するポルトガルの魅力とは

プログラム変更後も人気を誇る「ポルトガル・ゴールデンビザ」…世界中の投資家や著名人を魅了するポルトガルの魅力とは

2022年1月1日に「ポルトガル・ゴールデンビザ」プログラムが変更され、リスボンとポルト、および沿岸地域の居住用不動産投資におけるビザの申請が認められなくなりました。条件が厳しくなることで「ゴールデンビザ」の人気に陰りが出るのではないかと思われていましたが、予想に反して引き続き高い人気を得ています。本記事では「ゴールデンビザ」投資条件の変更点について解説するとともに、条件変更の背景などについてお伝えします。※本連載では、海外移住支援のプロフェッショナルである株式会社アエルワールドが、長期居住権や永住権にまつわる最新情報を解説していきます。

「ポルトガル・ゴールデンビザ」でヨーロッパ移住

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ゴールデンビザは、2年ごとに更新可能な長期居住ビザで、継続して保有することで、取得してから5年後には永住権や市民権を申請することができます。

 

ゴールデンビザを申請するための投資オプションは複数ありますが、最も人気が高いのは不動産投資で全体の約90%を占めています。ポルトガル国内の規定額以上の不動産に投資することで、長期居住ビザの取得と維持が認められます。

 

2012年10月にスタートしたポルトガルのゴールデンビザは、2021年11月までの累計で、投資家10,170人、家族を含めると合計17,123人がビザを取得しています。国別投資家数の累計では、中国5,001人、ブラジル1,038人、トルコ476人、南アフリカ人422人、ロシア人409人の順となっており、世界的なポルトガル人気の広がりを反映しています。中には世界的シンガーや俳優など多くの著名人もビザを取得し、移住の夢を叶えています。最近の統計では、米国人投資家の増加が顕著になってきており、2022年にはビザを取得した主要な申請者の5人に1人が米国人となっています。

 

「ポルトガル・ゴールデンビザ」のメリット

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1. 滞在要件が易しく、5年後に永住権と市民権が申請可能

ポルトガルに年平均7日間(2年間で14日)の滞在で要件を充たすことができます。そのため、1年の大半を日本で暮らしながら、ビザを維持することも可能です。短い滞在要件でありながら、5年後には永住権や市民権の申請ができることは大きなメリットです。

 

2. 購入不動産の賃貸や売買ができる

購入した不動産に居住する義務はなく、賃貸に出して賃貸収入を得ることができます。5年間が経過し、永住権や市民権を取得した後は、不動産を売却することも可能です。

 

3. 一家3代での移住が可能

申請者のご両親、18歳未満または18歳以上の全日制の学校に在学しているお子様もビザを取得することができます。医療制度が充実し、12年間の義務教育(公立学校)が無料のため、ご家族で安心して生活できる環境が整っています。

 

4. シェンゲン圏全域をビザなしで旅行ができる

シェンゲン圏全域(26ヵ国)はビザなしで渡航が可能となるため、中国やブラジルをはじめ世界各国の投資家に注目されています。また、自国の政治や経済に不安を感じている国の人々にとって、将来のリスクヘッジの手段となっています。

「ポルトガル・ゴールデンビザ」の投資条件と変更点

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50万ユーロ以上の不動産に投資することが条件ですが、都市再開発地域にある築30年超でリノベーションを行う中古物件に投資する場合は、35万ユーロ以上の投資によってゴールデンビザ申請が可能です。2022年1月1日から投資条件が一部変更となりましたが、不動産の投資金額の条件に変更はありませんでした。

 

1.主要都市の居住用不動産は対象外に

リスボン、ポルト、および主要沿岸地域の居住用不動産投資によるゴールデンビザの申請が認められなくなりました。内陸部および島嶼部のアゾレスおよびマデイラ自治区における不動産は、今回のプログラム変更の対象外のため居住用不動産投資によるビザ申請が可能です。

 

2.居住用以外の不動産は条件の変更なし

リスボン・ポルトなど条件変更該当地域の居住用不動産は、ゴールデンビザ申請の対象外となりましたが、居住用以外の不動産は引き続き投資が可能です。ツーリスト用不動産と位置づけられるホテルユニット(一定日数の利用権付き)などは、リスボンやポルトに位置する物件であってもビザの申請が認められます。

 

3.人口密度が低い地域にある不動産はディスカウント適用

内陸部の不動産は、プログラム変更対象外の地域となり、価格は都市圏の不動産に比べ低くなっています。さらに人口低密度地域にある不動産は、投資規定額に対して20%のディスカウントが適用されるため、最低28万ユーロからの不動産投資でビザの申請が可能となります。

 

4.不動産以外の投資オプションは、投資額が引き上げ

不動産以外の投資でゴールデンビザを申請する場合、規定投資額が引き上げられました。ファンド投資(ベンチャーファンドやプライベートエクイティーファンド)の規定額は従前の35万ユーロから50万ユーロへ、資金移転(銀行預金)は100万ユーロから150万ユーロに変更されました。

ゴールデンビザ…投資条件変更の背景と目的は?

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今回の条件変更の背景には、『大都市の不動産価格上昇に対する抑制』と『内陸部の不動産への投資促進』、『不動産以外の投資促進』という主に3つの目的があるとされています。

 

1.リスボンやポルトなどの大都市の不動産価格上昇に歯止めを

ゴールデンビザはEU以外の国々の投資家を対象にするプログラムですが、フランス人やドイツ人などの欧州国民、および英国人によるポルトガルの不動産投資は、実際のところゴールデンビザ投資家による投資額を大きく上回っています。その結果、不動産価格と賃貸価格の上昇により、ポルトガル人が都市中心部に住みにくくなるという弊害が出てきているようです。今回の変更には、特に都市部の居住用不動産価格と賃貸価格の上昇を抑制する狙いがあります。

 

2.大都市周辺や沿岸地域から、内陸部の不動産への投資促進

大都市に加え沿岸地域など人口高密度エリアでの不動産投資を抑制し、人口低密度エリアである内陸部への投資を促進する目的もあります。ポルトガルの内陸部には、歴史に恵まれ風向明媚で素敵な場所が数多くあり、不動産価格は大都市と比べて割安な水準にあります。また、マデイラ島とアゾレス諸島はプログラム変更の対象外となっており、現在の条件で引き続き不動産投資をすることができます。政府には内陸部や島嶼部に海外からの投資資金を呼び込み、地域発展の梃子にしたい考えがあります。

 

3.不動産以外の投資オプションの促進

不動産以外の投資オプションとして注目を集めつつあるのは、ベンチャーファンドやプライベートエクイティーファンドに投資するファンド投資です。投資金額は35万ユーロから50万ユーロに引き上げられましたが、不動産投資に付帯する関連費用の負担がないことも人気の一因です。ポルトガル国内の未上場企業やプロジェクトにファンド資産の60%以上を投資し、最低5年間は売却できない設計です。

 

今こそ、ポルトガル・ゴールデンビザを選ぶ理由とは?

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ポルトガル・ゴールデンビザの魅力の一つに『滞在要件の短さ』があります。ビザを取得してもポルトガルに移住する必要がないため、現状すぐに移住はできないけれど、世界情勢などを踏まえて、いざという時のためにリスクヘッジ環境を整えておきたいという方には、最適なビザといえるでしょう。

 

さらに、海外の永住権や市民権の取得を将来的に考えている方にとって、最も取得しやすい国の一つとなっています。特に、年間平均7日間の滞在により、5年後以降に市民権を申請できる国は他には見当たりません。すぐに移住しない場合は、居住用物件の購入にこだわる必要がなく、リスボンやポルトなど大都市で商業施設やホテルなどの物件を購入し、賃貸運用しながらビザを取得し保有することが叶います。

 

最近は、以下のような投資方法が注目を集めています。人口過疎地域に位置するホテルユニット(ツーリスト用不動産)を最低投資金額である28万ユーロで購入し、4~5年間の保証利回りで家賃収入を確保し、永住権あるいは市民権を確保します。人口過疎地域とは言っても、アルガルベ地方の人気リゾート地域も含まれています。その間、ご自身の一時的滞在や長期移住の目的には、より便利なリスボンの周辺に、ゴールデンビザの規定金額にこだわることなく不動産の賃貸や購入を行って、快適なポルトガルを楽しむ暮らし方です。

 

2022年1月から投資条件が変更されましたが、4月には121名の投資家が約6,000万ユーロを投資してビザを取得しました。この数字は、新型コロナウイルス感染症が広がりを見せた2020年春以降、最高額となっています。また、2022年のポルトガルのゴールデンビザプログラムに対する投資金額は、すでに2021年の合計金額を超えています。

 

このことからも、条件改正後も「ポルトガル・ゴールデンビザ」が人気の高さを維持していることが窺えます。好条件の不動産を求めるならば、できるだけ早く購入の準備を始めることが重要といえるでしょう。

株式会社アエルワールド シニア・インベストメント・アドバイザー

英国に25年間居住した経験をベースに、ご希望に沿った国選びに始まり、各国の投資ビザの情報提供から取得までをサポート。主に、ヨーロッパ地域の各種ゴールデンビザと米国投資永住権(EB-5)を担当。日系証券会社で証券アナリストとして企業調査を担当した後、ロンドンに赴任。その後、英国系大手投資銀行に転じ、欧米株式、債券、ファンド業務と市場データ関連業務に携わる。ロンドンに通算25年間滞在し、海外不動産投資についての知識も深い。

著者紹介

株式会社アエルワールド 代表取締役

大学卒業後、国際証券株式会社(現・三菱UFJモルガン・スタンレー証券)に入社し、個人・事業法人・財団法人等の資産運用のコンサルティング業務を担当。約4年間の資産運用コンサルティング業務を経て、留学・旅行業界に転職し、ビザ申請や海外生活設計のアドバイザー業務に携わる。2004年6月に家族・親子・退職者・会社経営者・投資家等のロングステイ、海外赴任者のサポート企業として株式会社アエルワールドを設立し、代表取締役に就任。現在までに1万人以上の海外移住や長期滞在に関する相談を担当。また投資家・資産家向けの海外生活コンサルティングにも精通し、グローバルに金融資産と居住生活をどうアロケーションするのか等、幅広い分野でお客様をサポート。

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