老後のための生活費。年金だけでは心許ないけど、貯蓄もなかなか進まない。そんな会社員が最後に頼りになるのが退職金です。真面目に働いてきた人へのご褒美……しかし退職金頼みだと、とんでもない事態になることも考えられます。みていきましょう。
退職金2,000万円の元大卒会社員…「老後の生活資金」が底をつく悲劇

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退職金2,000万円を手にできるのはどんな人か?

老後、いくら資産があればいいのか?

 

一時騒がれた「老後資金2,000万円問題」のように、「夫婦で最低2,000万円は必要だ」という意見があれば、「いや5,000万円は必要だろう」「年金だけで足りる」など、さまざま主張が入り乱れていますが、「世帯によって必要額は異なるので、現状を顧みて個々がきちんと備える」が答えでしょうか。

 

ただ多くの人の貯蓄パターンで多いのが、住宅ローンや子どもの教育にある程度見通しがたつ50代になると貯蓄が本格化し、定年後に備えるというもの。ただ晩婚化が進み、区切りが付くのが定年間近というケースも最近は増えています。「定年まで貯蓄ができない」というケースが増えているのです。

 

そこで頼りにしているのが退職金ではないないでしょうか。厚生労働省『平成30年 就労条件総合調査』によると定年退職の場合、退職前の月収は38.6万円、手取りにして29万円ほど、退職金は1人平均1,983万円です(大卒・大学院卒/勤続年数、管理・事務・技術職計)。

 

たださまざまな条件で退職金額は当然変わります。たとえば勤務年数。同じ大卒であっても、「勤続20~24年」であれば1,267万円、「25~29年」で1,395万円、「30~34年」で1,794万円、「35年以上」で2,173万円。

 

企業規模別にみていくと、「従業員30~99人企業」で1,407万円、「従業員100~299人企業」で1,605万円、「従業員300~999人企業」で1,825万円、「従業員1,000人以上企業」で2,233万円。

 

さらに学歴別では「中学卒」で965万円、「高校卒」で1,618万円です。

 

退職金で2,000万円となると、「大卒で大企業に35年以上勤務した会社員」というのが、ひとつの目安になります。

 

仮に定年後、夫婦ともに無職だとすると、月々の収入は23万6,576円、そのうち公的年金は21万5,603円。それに対して消費支出は22万4,436円で、毎月1万8,528円(総務省『家計調査家計収支編』2021年より)。夫婦で35年間生きたとしても、赤字額は780万円。平均的な退職金を手にすることができれば、「生きている間は困らない」という将来像を描けるわけです。