(※画像はイメージです/PIXTA)

アメリカの不動産物件を調べていると、メートル法が浸透していないため、単位表記に戸惑う人も多いのではないでしょうか。今回はオープンハウスのウェルス・マネジメント事業部が、広さの単位「スクエアフィート(sq/ft、sq.ft、Sq Ft、ft²等と表記)」を紹介していきます。

なぜアメリカはヤード・ポンド法を使い続けるのか

アメリカ以外で使用している国は少ないヤード・ポンド法ですが、なぜアメリカは他国に合わせることなくヤード・ポンド法を使い続けているのでしょうか?

 

そこには歴史的な背景も影響しているようです。

 

メートル法とヤード・ポンド法は18世紀末頃に、フランスとアメリカでほぼ同時期に制定されたとされています。

 

時期的にやや早く制定されたのがメートル法であり、1791年に地球の北極点から赤道までの子午線弧長の1,000万分の1の長さが「メートル」と定義されました。

 

それを基準に各単位の定義も科学的な手法で決定されましたが、当時の米国大統領トーマス・ジェファーソンは、一足早く定められたメートル法について

 

「既存の度量衡(メートル法)はしっかりした物であるが、その基準となる物がアメリカ合衆国の管理下にない(ことは好ましくない)」

 

とし、アメリカ国内で慣用的に用いられていた単位系を整理してヤード・ポンド法が制定された背景があります。

単位に慣れるコツ「数字の感覚値を体に染み込ませる」

かくして2つの単位系が生まれたのですが、一方は合理的な基準で定義されたメートル法。もう一方は、市民が慣例的に用いていたものをベースに制定したヤード・ポンド法ということで、当然、体系的な整理という意味ではメートル法に分がある形となりました。

 

ただし、ジェファーソンは「十進法ベースのシステムを採用するのが適切」と考えていた記録も残っているようで、より整理された単位系を目指していたこともわかっています。

 

またアメリカでは、政府が「他国(フランス)の管理化にある単位を使うと不利を被る可能性がある」という判断から、メートル法の使用を推奨しなかった歴史的な事情もあります。こうしたさまざまな事情から、アメリカでは現在までヤード・ポンド法が使用され続けているのです

 

こうした歴史的な経緯などもおもしろいところではありますが、スクエフィートなどのアメリカならではの単位に慣れるためには、流し見でも良いので、とにかくたくさんの不動産物件に触れて、数字の感覚値を体に染み込ませることが重要です。アメリカ不動産投資を行う上で、慣れない単位への苦手意識は早めに克服しておくことが大切だといえるでしょう。

 

 

本記事は、富裕層のためのウェブマガジン「賢者の投資術」(Powerd by OPEN HOUSE)にて公開されたコラムを、GGO編集部にて再編集したものです。