年齢別「平均年金額」…最多は89歳「16万3,514円」
年齢別の平均受給額をみていくと、厚生年金保険(第1号)の場合、89歳が最も高く16万3,514円。高齢になるほど年金額が多くなるのは、法改正により、年金額の計算の際に使われる係数(給付乗率)に違いがあるため。90歳以降、再び平均受給額が減少するのは、年金の加入期間が短い女性が多くなることなどが影響していると推測されてます(関連記事:『【2022年】年齢別「年金受取額」早見表』)。
【厚生年金保険(第1号)年齢別老齢年金平均受給額】
60歳 90,838円
65歳 145,337円
70歳 143,775円
75歳 147,519円
80歳 157,097円
85歳 162,711円
89歳 163,514円
90歳以上 161,506円
出所:厚生労働省『令和2年度厚生年金保険・国民年金事業の概況』より
さらに厚生年金保険(第1号)の年金受給額の分布をみていくと、5万円未満が全体の2.68%。5万~10万円未満が全体の20.66%。10万円から平均値の14万円未満が24.60%。年金受給額が平均値以下という人は、48%ほどになります(関連記事:『【2022年】厚生年金月額別「受給者分布表」 )』。
男女別にみていくと、年金受給額が平均値以下という男性は28.36%であるのに対し、女性は86.54%に達します。現在の年金受給者は「寿退社」「専業主婦」が大多数だった時代。当然の結果だといえるでしょう。女性の社会進出が進み、結婚、出産後も働き続ける人が増えているなか、年金受給額の男女格差は縮まっていくと考えられます。
年金の最新事情を、さまざまな角度からみてきましたが、仮に会社員夫婦が65歳で年金受給を開始したと仮定すると、単純計算、夫婦で毎月28万円程度を手にすることになります。
ただ法改正により高齢になるほど年金額が多いという現状や、今後も少子高齢化が進行していくことを考えると、年金受取額がさらに減額となる未来を見据えておいたほうが得策です。年金に過度な期待はせず、早めに資産形成をスタートさせることが最大のリスクヘッジになるといえるでしょう。