都道府県別「大学進学率」と「平均年収」ランキングからは「悲惨な日本」しか見えてこない
国が教育にかけるお金は少ないという一方で、それでも世界有数の経済大国であることを鑑みると、日本は教育に対し、非常に効率的に投資ができている、という見方もできるでしょう。
しかし家庭負担が大きいと、経済格差により質の高い教育を受けられない人が多くなるということ。よく親の収入が子どもの学歴に影響するといわれ問題視されますが、教育費の公的負担率をあげることが、ひとつの解決策といえるのです。
文部科学省 『令和2年度学校基本調査』によると、大学進学率が最も高い都道府県は「京都府」で69.8%。一方、最も大学進学率が低いのは「沖縄県」で40.8%です。
【都道府県「大学進学率」ランキング】
1位「京都府」69.8%
2位「東京都」69.0%
3位「兵庫県」64.3%
4位「大阪府」64.3%
5位「神奈川県」63.1%
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43位「佐賀県」45.7%
44位「岩手県」45.4%
45位「鹿児島県」45.1%
46位「山口県」44.2%
47位「沖縄県」40.8%
出所:文部科学省 『令和2年度学校基本調査』
また厚生労働省『令和2年賃金構造基本統計調査』で都道府県ごとの平均年収を算出したところ、最も年収が高いのは「東京都」で595万2,300円。一方、最も年収が低いのは「青森県」で366万7.900円です(関連記事:『【2021年】都道府県「平均年収」ランキング』)。
【都道府県『平均年収』ランキング】
1位「東京都」595万2,300円
2位「神奈川県」536万9,700円
3位「愛知県」513万2,500円
4位「大阪府」504万3,600円
5位「京都府」490万0,600円
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43位「宮崎県」384万0,200円
44位「岩手県」379万3,300円
45位「秋田県」375万8,000円
46位「沖縄県」374万0,300円
47位「青森県」366万7,900円
出所:厚生労働省『令和2年賃金構造基本統計調査』より算出
大学進学率と平均年収。双方の相関係数は0.81。強い相関関係にあることがわかります。この結果からも、教育費負担が今のままでは、子どもの進学が親の年収に左右されるという連鎖を断ち切ることはできないことがわかります。
しかし少子高齢化が進む日本において、どのようにして教育への財源を確保すればいいのか。答えはなかなか見つかりません。未来への投資に関しても、日本は手詰まりの状況といえるのです。