日本の経済成長を支えた団塊の世代。2022年から後期高齢者になる人たちです。彼らはどのような時代を生き、そしていまどのような課題を抱えているのか。みていきましょう。
全国600万人の「団塊の世代」…年金14万円の生活にさらなる負担増 (※写真はイメージです/PIXTA)

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「団塊の世代」はどのような時代を生きてきたのか?

団塊の世代は、終戦後、1947年~1949年に生まれた人たちを指し、2021年には72~74歳を迎えました(範囲はさまざまなで~1951年生まれとする説も)。

 

総務省『令和2年国勢調査』によると、団塊の世代(調査時71~73歳)は全国で596万人。総人口の4.7%。つまり約20人に1人は団塊の世代、というわけです。

 

団塊の世代が高校を卒業した1966~1968年(昭和41~43年)の進学率(大学+短大+高専+専門学校)は10%代。「高校卒業後は就職して働く」ことが当たり前の時代でした。

 

1966年、高卒初任給(公務員)は1万6,100円。現在の価値に換算すると、6万3,000円ほどです。日本の総人口は1億人を突破。当時、世界を席巻していたビートルズが来日し、日本武道館でコンサートを行ったのもこの年です。高度成長期まっただなかで、自動車生産高が世界第3位になりました。

 

大学入学という特別なルートを歩んだ団塊の世代が社会人となったのは、1970~1972年のこと。1970年、大卒初任給(公務員)は3万1,510円。現在の価値に換算すると10万1,000円程度になります。大阪で万国博覧会が開催され、6,000万人を超える入場者を記録。東京・銀座には、マクドナルド1号店が誕生しました。ちなみにケンタッキーフライドチキンは大阪万博に出店し、名古屋に日本第1号店を開店しています。三島由紀夫が割腹自殺し、世界を席巻したビートルズが解散したのも、この年でした。

 

団塊の世代が高卒、または大卒で社会に出たころ、日本は高度成長期のまっただなか。色々な問題を抱えつつも、生活が豊かになっていくことを実感できた時代でした。

 

そんな高度成長期は、1973年に起きたオイルショックなどによって終わりを告げ、1974年には、-1.2%と、戦後初めてのマイナス成長を経験します。それでも日本は安定的な成長を続けます。

 

1980年代前半には、内需に停滞感がみられたことから、経済成長を輸出に頼ることに。結果、アメリカをはじめとする諸外国と貿易摩擦がおき、 1985年にはプラザ合意により円は対ドルで大幅に増価。一時的に景気は後退過程に入りますが、積極的な内需振興策により回復。株価や地価が急騰し、バブル景気を迎えます。

 

日本が狂乱したバブル景気がはじけ、経済低迷期に入った1991年。団塊の世代は40代前半を迎えていました。