「相続争いなんて金持ちだけのこと」というのは認識違い。裁判所の資料によると、「遺産が少額でも相続争いは起きる」という事実がみえてきました。裁判沙汰にまで発展した相続の実情をみていきましょう。
遺産相続が裁判に発展!都道府県「相続争い」調査…件数1位「東京都」、人口比1位「愛媛県」 (※写真はイメージです/PIXTA)

都道府県別に「遺産分割事件」をみていくと…

さらに都道府県別(高裁管内総数より算出)にみていくと、最も遺産分割事件が多いのは「東京都」で1,334件。「大阪府」「愛知県」「神奈川県」「北海道」と続きます。一方、事件数が少ないのは「山形県」で51件。「島根県」「福井県」「秋田県」「鳥取県」と続きます(関連記事:『【2021年】都道府県「遺産相続事件数」ランキング』)。

 

人口の多いところが上位にくる傾向にありますが、人口比でみていくとどうなのでしょうか。人口10万人あたりの遺産分割事件が最も多いのは、「愛媛県」で15.50件。続いて「高知県」で14.45件。「鳥取県」「徳島県」「青森県」と続きます。

 

一方、人口10万人あたり遺産分割事件が最も少ないのは、「山形県」で4.77件。続くのが「埼玉県」で6.34件。「神奈川県」「千葉県」「福井県」と続きます。傾向として西日本のほうが裁判にまで発展する相続争いが多いようです。

 

【人口10万人あたり「遺産分割事件」ランキング】

1位「愛媛県」15.50

2位「高知県」14.45

3位「鳥取県」13.72

4位「徳島県」13.48

5位「青森県」12.92

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43位「福井県」7.30

44位「千葉県」7.14

45位「神奈川県」7.03

46位「埼玉県」6.34

47位「山形県」4.77

 

出所:裁判所『令和2年司法統計』より作成

 

このように金持ちだろうと、貧乏だろうと、裁判にまで発展することがある相続。決して他人事だと思ってはいけません。ぜひ自分事と考えて、日ごろから家族と万が一のことを話しておくことが大切です。