12月も中旬。受験生をもつ親であれば心ここにあらず、といった季節ですが、一方で「今の給与で子どもを大学に通わせることはできるのだろうか」と思い詰める人もいるでしょう。大学進学にかかる費用はどれほどなのか、みていきます。
年収540万円の会社員…子の大学進学、4年で1,000万円の「無理筋」 (※写真はイメージです/PIXTA)

大学は諦めてくれ……その前に知っておきたい修学支援制度

厚生労働省『令和2年賃金構造基本統計調査』によると、男性会社員の基本給(所定内給与額)は平均33万8,800円、年収は平均546万円ほど。仮に夫婦と子ども2人という4人家族だった場合、手取り額は26万4,000円ほど。これで国立大学であれば900万円、私立大学であれば1,000万円を超える出費を工面しなければならない、ということになります。

 

もちろん子どもはいきなり成長するわけではありませんから、コツコツと子どもの将来のために貯蓄をしてきた家庭は多いでしょう。しかしこのご時世、毎月の生活費、住宅や車の購入といった大きな出費が重なると、思うように貯蓄が進まなかった、というケースも珍しくないでしょう。

 

――すまん! 大学は諦めてくれ

 

なかなか親としては言いにくいセリフです。そこで知っておきたいのが、さまざまな修学支援。たとえば2020年4月からスタートした「高等教育の修学支援新制度」。授業料・入学金の免除、または減額と、給付型奨学金の支給がセットになったものです。

 

支援の対象者は「世帯年収や資産の要件を満たしていること」「学ぶ意欲がある学生であること」の2つ。どのくらいの収入の世帯が対象となるか、どのくらいの給付型奨学金が受けられるかについて、[図表]のように例が示されているほか、日本学生支援機構のホームページでもシミュレーションできます。

 

出所:文部科学省ホームページ
[図表]「高等教育の修学支援新制度」支援を受けられる年収の目安と支援額 出所:文部科学省ホームページ

 

奨学金なども検討したいところ。独立行政法人日本学生支援機構による『令和2年度学生生活調査』によると、「家庭からの給付のみで修学可能」という学生は49.1%。過半数はやむを得ず、奨学金や学生自身がアルバイトをしながら大学に通っています。他から力を借り手我が子を大学に通わせる、というのは一般的なことです。

 

独自の奨学金や授業料免除など、学生への支援制度を儲けている大学も多くあります。子どもの将来のために、国や学校などの制度を上手く活用していきたいものです。