公的年金と貯蓄の取り崩し……これが定年後のベーシックなスタイル。このような高齢者はどれくらいの貯蓄があるのでしょうか? 総務省の調査から紐解いていきます。
年金、平均14万円でも…「無職の高齢者夫婦」貯蓄額2,000万円超え (※写真はイメージです/PIXTA)

年金が頼りの老夫婦…貯蓄の内訳をみていくと

さらに高齢者の夫婦だけで、年金以外に主だった収入のない夫婦(世帯人数2.00人、世帯主年齢76.3歳)についてみていくと、貯蓄額は2,286万円。平均値に近い蓄えがあるようです。

 

その内訳は、65%ほどが預貯金(普通性+定期性)、15%が保険、15%が有価証券、その他が5%ほどとなっています。

 

【65歳以上夫婦(無職世帯)の貯蓄事情】

●貯蓄額 2,286万円

●内訳

「普通預貯金」594万円

「定期預貯金」935万円

「生命保険」371万円

「有価証券」380万円*

*そのうち「株式・投資信託」315万円、「債券」49万円

 

出所:総務省『2020年家計調査 貯蓄・負債編』より

※数値は各々の平均値であり、足しても貯蓄額にはならない

 

無職の高齢者夫婦1組につき平均2,000万円を超える貯蓄額という事実をどのように感じるでしょうか。「2,000万円も貯蓄があるなんて、アッパー層だけ」「一部の人が平均をあげているだけ」など、色々な意見があるでしょう。

 

注目したいのは、貯蓄の内訳。預貯金が多くを占めますが、保険や有価証券と、さまざまな金融商品を有している姿がうかがえます。いまの年金世代の人たちは、ただお金を貯めるだけでなく、お金に働いてもらい、財をなしたといえるでしょう。