潔くシンプルに当せんを狙う「少量買い」
では、どういう買い方が考えられるだろうか。1枚や数枚といった「少量買い」から考えてみよう。
年末ジャンボを連番で3枚だけ買って10億円を目指す。これは、とても潔い買い方といえるだろう。ただひたすらに、最小の購入費用で最大の当せん金を狙う。一攫千金という宝くじの本質を体現する買い方といえる。
一方、年末ジャンボミニを1枚だけ買って1万円以上を狙ってみるのもシンプルで味わい深い。1万円以上の当せん金を受け取れる確率は0.6%。そう簡単に当たるわけではない。でも、もし当たれば購入額の33倍以上が返ってくる。うれしさも相当なものとなるはずだ。
10万円分購入なら2つのくじをどう配分するか?
くじを何枚も買う場合には、どう狙うべきか。この場合、購入資金を年末ジャンボと年末ジャンボミニにどう配分するか……つまり、宝くじのポートフォリオをどう組むか、が問題となる。
くじの購入資金が10万円あるとしよう。くじは1枚300円なので、9万9,900円で333枚買って、100円余る計算だ。この333枚を2つの宝くじにどう配分すべきか、考えてみよう。
1枚300円のくじに対する平均受取額は、年末ジャンボが149.995円、年末ジャンボミニは150円と、ほぼ同じだ。
だが、当せん確率が0.01%以上(当せん金5万円以下で、年末ジャンボは4等以下、年末ジャンボミニは2等以下に相当)の当せん金受取に限って平均受取額をみると、年末ジャンボは95円、年末ジャンボミニは130円と、両者の違いが出てくる(図表1参照)。
購入資金の何割かが返ってくるように買うには?
そこで、こんなことを考えてみる。
「当せん確率0.01%未満というのは、ほとんど当たらないだろうから、一旦無視することにしよう。当せん確率0.01%以上の当せん金だけで、実際に購入した金額の3分の1、つまり3万3,300円が平均的に返ってくるようにするには、どうしたらよいだろうか?」
ここから、少し数学っぽくなるが、年末ジャンボをX枚、年末ジャンボミニをY枚買うことにする。両者を合わせて333枚買うわけだから、【 X + Y = 333 】となる。
つぎに、当せん確率0.01%以上の当せん金だけで、3万3,300円が平均的に返ってくるようにしたいので、【 X×95 + Y×130 = 33300 】
中学校の数学に出てくるような連立方程式が現れた。これを解くと、X=285、Y=48となって、「年末ジャンボは285枚、年末ジャンボミニは48枚買えばよい」ことになる(図表2参照)。
では、当せん確率0.01%以上の当せん金だけで、平均的に返ってくる金額を購入資金の4割、つまり4万円としたい場合はどうするか。
上記の2つ目の等式で、右辺にある「33300」を「40000」に変えて連立方程式を解き直してやればよい。これを解くと、X=94、Y=239となって、「年末ジャンボは94枚、年末ジャンボミニは239枚買えばよい」ことになる。
なお、当せん確率0.01%以上の当せん金だけで、年末ジャンボは31.666…%(=95円÷300円)、年末ジャンボミニは43.333…%(=130円÷300円)平均的に返ってくる。このため、この方法では、‘31.666…% ~ 43.333…%’の範囲内でしか、意味のある答えが出てこない。
たとえば、平均的に返ってくる金額を購入資金の2割、つまり2万円にしようとして連立方程式を解くと、X=665、Y=-332という答えが出てくる。これは、「年末ジャンボは665枚買って、年末ジャンボミニは332枚売ればよい(?)」という、おかしな結果となる。
このように、連立方程式を解いて、購入資金の何割かが返ってくるように買い分ける計算をする場合には、平均的に返ってくる割合の設定範囲が限られることに、少し注意が必要だ。