投資家必読!投資してもいいソーシャルレンディングの見分け方

銀行の定期預金や国債に代わる新たな資産運用手段として注目されている「ソーシャルレンディング」で不祥事が続発しています。2021年6月には業界最大手SBIソーシャルレンディングが事業からの撤退と自主廃業をしました。ソーシャルレンディング業界の信頼性が大きく揺らぐなか、投資しても大丈夫なソーシャルレンディングの見分け方を「J.LENDING」を運営するジャルコ社長の田辺順一氏が解説します。

ソーシャルレンディングで不祥事が起こる理由

ソーシャルレンディングは「融資型クラウドファンディング」とも呼ばれるクラウドファンディングの1つです。運営事業者がインターネットを通じて個人投資家を中心に広く資金を集め、それを企業などに貸し出す金融サービスです。年間5~10%の高利回りが人気で、銀行の定期預金や国債に代わる新たな資産運用手段として注目されています。ただ、リターンが多い一方で、リスクもあるため、不安を抱く投資家も少なくありません。

 

事実、ソーシャルレンディング業界では不祥事が繰り返し起きています。2021年6月には業界最大手のSBIソーシャルレンディング(SBISL)が金融庁から業務停止命令を受け、ソーシャルレンディング事業からの撤退と、自主廃業を決定しました。

 

ソーシャルレンディング業界の信頼性が大きく揺らぐなか、当社にも不安や心配の声が寄せられているのも事実です。当社のソーシャルレンディング「J.LENDING」については、運営会社である株式会社ジャルコがJASDAQ上場の株式会社JALCOホールディングス株式会社の100%子会社であることや、投資家への安心・安全に万全を期していることなど、この連載でご説明させていただきました。

(【第1回】「J.LENDING」定期預金に代わる「安心・安全」の資産運用 )

 

今回は、ソーシャルレンディング業界ではなぜ不祥事が後を絶たないのかについて私見を述べたいと思います。不祥事が起きる理由は、大きく2つの側面から説明できます。

 

お金を回収する考えがない「素人経営者」

1つは「人の質」です。つまり、どんな人がソーシャルレンディング事業の運営者で、現場で融資の実務を担当している人はどんな経歴なのかということです。

 

これは運営会社を調べるとわかることですが、ほとんどの運営者や融資担当者は証券会社出身者や不動産業者、またはそれ以外の人たちです。本来の融資のプロである銀行やノンバンクの出身者は非常に少ないです。要するに、お金を貸すという経験がほとんどない、ある意味“素人”がお金を貸しているということです。

 

 

私自身が証券会社出身だから身をもってわかっていますが、証券業界は株や投資信託などの商品を売ったらそれで終わりという世界です。お金を回収するという発想が基本的にありません。

 

一方、銀行は違います。ジャルコの「J.LENDING」と貸金業の責任者はメガバンク出身で、融資担当者もすべて銀行出身です。銀行マンは資金を融資する際に、必ず回収するところまで考えています。したがって担保の設定も厳しく行います。

 

担保は不動産をはじめ債権や特許権などもあります。また銀行と連携して債権に質権を設定するなど徹底しています。そもそもデフォルトが起こるような企業には融資していませんが、いざというときの回収スキームもあらかじめつくって貸しています。したがって、仮にデフォルトが起きても資金回収スキームを実行することで回収に万全を期しています。

 

「金融」と一言でいっても、証券と銀行ではカルチャーがまったく違うのです。投資家の皆さんに申し上げたいのは、大事なお金をソーシャルレンディングに投資するときは、運営会社のトップ、取締役や融資の責任者をよく調べてくださいということです。

 

「需給バランス」の不均衡という構造的問題

ソーシャルレンディングで不祥事が繰り返されるもう1つの理由は、「需給バランス」の不均衡です。この点に関してもこの連載で説明していますのでご参照いただければと思いますが、簡単にいうと次のような構造的問題があります。

(【第4回】「 なぜジャルコの『J.LENDING』は「安心・安全」なのか?」)

 

ソーシャルレンディングの人気の高まりを受けて、運営会社のデポジット口座には投資家から多くの資金が流入しています。その半面、優良な融資先がなかなか見つからないため、多額の資金を手元に置いておくのはもったいないと考える運営会社が、プラットフォームなどを設けて貸出先をつくるのです。融資を受けたい会社は無数にあります。結果、よくわからない業種や業態、経営者に貸し出し、コントロール不能となり、デフォルトを起こすというわけです。

 

ですから私に言わせると、ソーシャルレンディング業界で不祥事が繰り返されるのは、この2つの理由から、起こるべくして起きたということになります。

 

担保確保したうえで回収できる会社への融資

そうしたなかで、当社は「回収」をしっかり考えて融資を行っているの「安心・安全」につながっていると自負しています。また、当社の事業の2本柱である不動産業と貸金業という収益ベースのビジネスがあるため、急速なソーシャルレンディング事業の拡大は必要ありません。ムリをするとどうしても歪みが生じます。もちろん、ソーシャルレンディングは3本目の事業の柱として注力をしています。

 

その1つが、パチンコホールへの融資です。パチンコホールが所有する不動産をオフ・バランス(貸借対照表から切り離す)して当社が買い取る仕組みで、パチンコ業界でのソーシャルレンディングを増やしていきたいと考えています。

 

また、企業が有する知的財産権(特許権)も担保に融資していますが、今後は担保で貸し出すだけではなく、知的財産権を買い取り、技術の価値を回収する新事業に力を入れていきます。「知的財産権のセールアンドリースバック」といいますが、今年8月に第一号案件が成約しました。今後は知的財産権の流動化や利活用(売却を含む)などにより、企業のキャッシュフロー創出を支援していくとともに、そうした案件もソーシャルレンディングに出していく考えです。

 

「J.LENDING」は今年4月以降、銘柄が増え、口座も順調に増えています。2021年度の募集目標は50億円ですが、償還もあるため、年度末の残高では約40億円になる見込みです。

 

当社は総合金融業を目指しています。事業の2本柱である不動産業と貸金業を中心に、そこにソーシャルレンディングが加わり、この3つが融合することでさまざまな相乗効果がうまれます。貸金業については大阪で免許を取る予定で、10月1日から大阪本社としました。大阪本社代表にはメガバンク出身者が就いています。

 

実際、業績は好調です。親会社のJALCOホールディングスの2022年3月期の連結売上高は前期比3.1%増の28億円、営業利益は同約41%増の約18億円、経常利益は同約47%増の約11億円の見込みで、5期連続の増収増益予想です。

 

<株式会社ジャルコについて>
JALCOホールディングス株式会社(東証JASDAQ:6625)の子会社。電子部品メーカーだったジャルコは倉庫や商業施設、パチンコホール向け不動産賃貸業や貸金業を始め、再建。2015年からはソーシャルレンディング事業を展開する。
<「J.LENDING」のメリット>
J.LENDINGは、株式会社ジャルコが運営する貸付(融資)型のソーシャルレンディングです。
①投資するローンファンドをご自身で選択
②厳正な審査をクリアした案件
③最低50万円から資産運用が可能
④成約手数料・事務手数料等がゼロ

 

 

田辺順一
JALCOホールディングス株式会社 代表取締役社長
株式会社ジャルコ 代表取締役社長

 

JALCOホールディングス株式会社 代表取締役社長
株式会社ジャルコ 代表取締役社長

1965年生まれ。一橋大学商学部卒。90年野村證券株式会社入社。98年野村企業情報株式会社。02年野村證券企業金融二部課長。04年アイ・キャピタル証券株式会社入社。06年MTラボ株式会社入社。09年株式会社ジャルコ取締役就任。11年2月、株式会社ジャルコ代表取締役社長就任。11年10月、 JALCOホールディングス株式会社 代表取締役社長就任。

著者紹介

連載ジャルコが仕掛ける「J.LENDING」の安全性と成長性

取材・構成/田之上信
※本インタビューは、2021年10月26日に収録したものです。

本連載に記載された情報に関しては万全を期していますが、内容を保証するものではありません。本連載の情報を利用した結果による損害、損失についても、著者ならびに本連載制作関係者は一切の責任を負いません。