「ソーシャルレンディング」は、年間5~10%の高利回りが人気となり、銀行の定期預金や国債などに代わる新たな資産運用手段として注目されています。ソーシャルレンディングは元本保証がなく、融資した先の企業が返済できずに遅延するケースも相次いでいます。そこで今回、株式会社ジャルコが運営するソーシャルレンディング「J.LENDING」がいかに安心・安全に運営されているのかを、2回に分けて説明します。第4回は社長の田辺順一氏、株式会社ジャルコが運営するソーシャルレンディング「J.LENDING」はなぜ安心・安全なのか、その理由を説明します。

「J.LENDING」が「安心・安全」な3つ理由

株式会社ジャルコが運営するソーシャルレンディング「J.LENDING」は、なぜ安心・安全なのか。

 

まず、ソーシャルレンディング「J.LENDING」運営会社のジャルコは、JASDAQ上場のJALCOホールディングス株式会社の100%子会社です。上場企業は監査法人による監査があるなど経営の透明性が担保されており、投資家への「安心・安全」につながると考えています。

 

次に、最低投資金額が50万円以上(10万円単位)という点です。ソーシャルレンディングは一般的に1万円程度の少額から投資できますが、当社は50万円以上というハードルを設けています。口座数を増やすためには本来、投資金額の設定を下げるべきなのでしょうが、当社は優良な投資家にターゲットを絞っているため、あえて高いハードルを設定しています。

 

実際、投資家であるお客さま全体の80%以上が金融資産1000万円以上(申告ベース)となっています。また、投資家の方々に、投資ではありますが、自分が企業に融資しているという思いをもって投資していただきたいという気持ちがあります。

 

 

理由の3つ目は、融資先です。当社の事業の柱である貸金業において融資した実績のある企業の中から厳選して、ソーシャルレンディングに移行させています。貸金業での融資審査では、企業の財務内容はもちろん、代表者である社長の人柄を重視しています。つまり信用できる人物かどうかを慎重に見極めます。

 

そうして貸金業で融資を数年行ったうえで、その中から総合的に判断して本当に信用できると認めた会社のみを、少しずつソーシャルレンディングに移行させています。時間と手間のかかる作業ですが、投資家の方々に安心して投資していただくために必須の手続きだと考えています。

 

さらに、融資先企業の情報を可能な限り開示しています。そのうえで投資商品の安全性を最優先し、ファンドにはすべて担保・連帯保証人を付け、債権保全の確保に努めています。

 

ソーシャルレンディングでデフォルトが相次ぐ理由

ソーシャルレンディング市場で最近、デフォルト(債務不履行)などが相次ぎ、不安を抱いている投資家が増えています。なぜそうしたトラブルが発生するのか、私見を述べたいと思います。

 

第一は、需要と供給のアンバランスです。ソーシャルレンディング事業者にはデポジット口座を用意している会社と、用意していない会社があります。当社は現在、デポジット口座はありません。

 

ソーシャルレンディングは通常、ソーシャルレンディング運営会社の案件募集告知に対し、投資家が投資したい金額をデポジット口座に入金し、募集開始後、デポジット口座内にある金額内でソーシャルレンディング案件に投資するという手順を踏みます。デポジット口座がない場合、案件の募集開始後に投資金額枠を確保して、決められた期限までに入金し、投資します。

 

田辺順一・JALCOホールディングス株式会社 代表取締役社長、株式会社ジャルコ 代表取締役社長
田辺順一・JALCOホールディングス株式会社 代表取締役社長、株式会社ジャルコ 代表取締役社長

 

ソーシャルレンディングの人気が高まるにつれ、各社のデポジット口座には多額の資金が流入しています。そうすると会社側は、ファンドを組成して消化しないと損だという発想になりやすいのです。

 

その結果、ムリに貸し先をつくることになります。融資を受けたい会社は無数にありますから、運営会社によってはプラットフォームをたくさん設けたりする。そうしてよく知らない業種や業態、債務者に貸し出し、コントロールがつかなくなり、デフォルトを起こすというわけです。

 

その点、当社は非常に慎重で保守的です。貸金業で実績を積んだ企業しかファンドを組成しません。時間は「安心・安全」を担保するコストと考えています。

 

ただ時間に関していうと、今後は銀行やノンバンクなどと提携することも考えられます。時間を買うということです。金融機関がすでに貸しているものの、追加融資は難しいという案件を補助的に当社で受ける。そこでは金融機関との信頼関係が重要になります。

 

「J.LENDING」は年間1000億円を目指す

当社は現在、デポジット口座を用意していませんが、お客さまにとっては利便性の問題が出てきています。いまはファンドが満期を迎えると、再投資されない方には一旦返金されるので、再度のお申し込み時に銀行で改めて振り込み手続きを取る必要があります。お客さまの利便性を考慮すると、デポジット口座の開設も視野に入れなければなりません。実際、お客さまから、デポジット口座にお金を置いておきたいという要望の声を多くいただいています。

 

一方で、デポジット口座に資金が流入すると、先ほど説明したように需給バランスが崩れる可能性が出てきますので、慎重なファンドの組成がこれまで以上に求められます。その方法としては、横への展開と、縦の深掘りがあると考えています。

 

たとえば横の広がりでいうと、私が熟知するパチンコ業界で貸し先を増やしていくつもりです。縦の深掘りでは、昔から取引のある企業に対して、そのグループ企業に融資することを検討しています。信頼できる企業のグループだからこそ、安全性が高いと考えられます。

 

残高100億円を目指す場合、1グループに30億円など金額を大きくして融資する。ソーシャルレンディング事業者の多くは、数億円の融資を数多く手がけることが一般的ですが、そうすると目が行き届かなくなりやすくなります。むしろ融資先を絞ったほうが、目が行き届き、リスクの管理がしやすくなると考えています。もちろん、慎重な見極めが必要になります。

 

「J.LENDING」は、5年後に1000億円の残高を目指しています。会員数は3万~5万口座に達すると見込んでいます。

 

そのために社内の人員も増やし、システム投資にも力を入れていきます。お客さまの使い勝手の向上とともに、お客さまの情報を分析するなどマーケティングを通じてよりよいファンド組成に役立てる狙いです。

 

ぜひ株式会社ジャルコが運営するソーシャルレンディング「J.LENDING」にご期待ください。

 

 

田辺順一
JALCOホールディングス株式会社 代表取締役社長
株式会社ジャルコ 代表取締役社長

 

取材・構成/田之上信
※本インタビューは、2021年4月26日に収録したものです。

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