最近よく見聞きするようになった「FIRE」。多くの指南書も刊行され、関心を持つ人も増えています。多くの場合、実現のための手段として株式投資を提案していますが、その方法で大丈夫なのでしょうか? 自身も会社員として勤務しながら、複数の資産運用を経験・実績を上げてFIREを目指す、株式会社日本財託の岩脇勇人氏が解説します。
多くの人が目指す「FIRE」は、株より不動産で実現すべき理由

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トレンドなりつつある「FIRE」とは

昨今よく耳にする「FIRE」という言葉。FIREとは「Financial Independence, Retire Early」の略語で、経済的に独立した状態で早めにリタイアすることを意味します。

このFIREについて、指南する書籍が世の中にも溢れるようになりました。しかし、そのほとんどが株式投資を前提としており、とくに米国の高配当株や海外ETF(上場投資信託)をベースにしたものが主流のようです。

 

日本の株式市場が魅力的、あるいは金利がある程度確保されていれば、わざわざ海外に目を向けて投資を検討する必要はないかもしれません。

 

ただ、残念ながら市場参加者の評価はそうではなく、世界経済の中心であり配当性向の高い傾向にある米国株へ視点が行くのも必然的なのかもしれません。

 

しかし、考えなければならないポイントとして、「為替リスク」が挙げられます。

 

米国株を購入するには米ドルを用意しなければなりません。そのためには、手元にある円をドルに両替し、米国株を購入する事になります。

 

仮に、米国株で期待通りの配当や分配金が得られたとしても、それを自身の生活費に充てるには、当然ですが円に両替しなければなりません。

 

その際、円高になってしまっては、せっかくの利益が円ベースでは目減りしてしまう事になります。

 

為替の相場は常に世界経済の影響に晒されており、また時にたった一人の政治家の発言によって乱高下するケースもあります。

 

2000年以降に絞って見ても、2002年に135円と歴史的な円安水準をマークし、2011年の75円とは60円もブレているのです。

 

よい方向に転がるケースもあるでしょうが、いずれにしても為替リスクという大きな不確実要素を背負っている事を忘れてはいけません。

 

その不確実な要素を収入源として、FIRE達成を目指すことは、果たして現実的なのか疑問に残ります。

 

つまりFIRE達成に必要な要素は、と問われれば、リスクを最小限に抑え、安定した収入が期待できる資産を作ることです。

なぜFIRE達成に「不動産投資」が適しているのか

人生100年時代と言われる昨今、仮にFIREを達成し、40代や50代で早期退職を果しても、まだ人生の折り返し地点であり、その後の人生は思ったよりずっと長いことが予想されます。

為替リスクという不確実要素に長期間晒されることを軽視してはいけないと考え、やはり生活のベースとなる「円」を産んでくれる国内資産もしっかりと確保する事が大切です。最近は米国株でしっかりと資産形成されている方も、円資産を確保したいとご相談に見えるケースが多くなっています。

 

FIREとは資産から得られるインカムゲインで、長期的、安定的、継続的に生活費を賄うことが必要となります。

 

生活の基礎となる円を稼ぐ国内資産かつ、安定したインカムゲインが期待できる収入源こそ、創業32年の弊社が自信をもってご紹介している「東京・中古・ワンルームマンション」です。

 

現在もさまざまな金融商品に投資を行っている私自身も、その安定性を信頼しているからこそ、4戸の「東京・中古・ワンルームマンション」を所有し、運用をしているのです。

 

 

株式会社日本財託資産 コンサルティング部 マネージャー
岩脇 勇人