日々発表される統計や調査の結果を読み解けば、経済、健康、教育など、さまざまな一面がみえてきます。今回、焦点をあてるのは「広島県の最新の公示地価」。どれくらいの地価なのか、これからマイホームを夢見る会社員には気になるところ。注目地点の地価を見ていきましょう。
広島県の地価ランキング…県都「広島」周辺部は好調も、繁華街はコロナ不況を跳ね返せず ※画像はイメージです/PIXTA

再開発計画に期待も…広島県の公示地価は「前年比下落」

広島県の2021年最新の公示地価を見ていくと、地価平均は49万162円/坪で、47都道府県で第9位。コロナ禍で全国的に地価が下がるなか、広島県では前年比0.48%の下落。変動率は岡山県に次ぐ第15位でした。

 

2021年、広島県で最も地価が高かったのが、広島電鉄本線・白島線「八丁堀」停留場前の「広島市中区八丁堀15-8」で、平米単価は344万0000円。前年比-3.10%の下落でした。

 

コロナ禍では三大都市圏の地価が大きく下落する一方、札幌、福岡、広島、仙台と地方の拠点となる4都市の地価は底堅い需要から顕著に推移したといわれていますが、広島市の中心業務地区であり中心商業地である紙屋町・八丁堀エリアは、市内一の地価を誇りつつも、下落基調。広島市中心部の再開発計画は小粒感が否めず、コロナ不況を跳ね返すほどのインパクトはなかったようです。

 

一方、当該エリアから1500mほど離れたJR「広島」駅周辺は上昇傾向にあり対照的です。2025年開業を目指している「JR広島駅ビル」や、2022年開業予定の「旧広島東郵便局跡」開発などが、地価上昇を牽引しています。

 

用途地域を住宅地に絞って見ていきましょう。最も平米単価が高かったのは「広島市中区中町9」で、平米単価146万円。広島電鉄「八丁堀」や「袋町」の停留場から徒歩10分ほど、高層マンションが建ち並ぶ都心部の住宅地域で、その価格は市内住宅地の地価としては頭一つ抜けています。前出の通り、広島市の中心商業地である紙屋町・八丁堀エリアを生活圏内とする利便性が魅力です(関連記事:『【2021年】広島県「住宅地地価ランキング」価格&上昇率ベスト100』)。

 

続いて2位は「広島市中区上幟町7」。JR「広島」駅から徒歩9分、高層マンションが建ち並ぶ川沿いの住宅地域で、平米単価は88万6000円。第1位の「中町9」ほどではないにしろ、第3位の「中区西白島町9」の倍以上の地価を誇ります。紙谷町・八丁堀エリアからも、新幹線も利用できる「広島」駅も生活圏内という利便性の高さで人気です。

 

ほかトップ100を見てみると、ほぼ広島市が独占。広島市以外に目を向けると、県下第3位の人口規模を誇る「呉市」と日本で最も推計人口が多い町である「府中町」からそれぞれ4地点、厳島で有名な「廿日市」が3地点、マツダの関連工場が数多く立地する「海田町」から2地点 が100位以内にランクインしています。

 

【広島県住宅地の地価ベスト10(住宅地)】

1位 広島県広島市中区中町9-5 (1,460,000円)

2位 広島県広島市中区上幟町7-12(886,000円)

3位 広島県広島市中区西白島町9-16 (417,000円)

4位 広島県広島市中区白島九軒町13-16(404,000円)

5位 広島県広島市中区平野町12-17(373,000円)

6位 広島県広島市東区牛田中1-8-23(310,000円)

7位 広島県広島市中区広瀬町5-27(308,000円)

8位 広島県広島市中区千田町2-3-12(290,000円)

9位 広島県広島市南区出汐1-9-10(282,000円)

10位 広島県広島市東区光が丘13-12(280,000円)

 

出所:国土交通省2021年公示地価(1月1日時点)より

(かっこ)内は㎡単価