日々発表される統計や調査の結果を読み解けば、経済、健康、教育など、さまざまな一面がみえてきます。今回、焦点を当てるのは「インスタントラーメン」。世帯年収や地域別に消費の傾向を見ていきます。
コロナ禍で消費額アップ…都道府県「インスタントラーメン」ランキング ※画像はイメージです/PIXTA

都道府県別にみる「インスタントラーメン」の実情…カップ麺と袋麺で異なる消費傾向

インスタントラーメンの消費については地域差があります。都道府県別に消費額を見ていくと、カップ麺の消費額が最も多いのは「新潟県」で年間7458円。第2位が「山形県」で7121円。「青森県」「福島県」「岩手県」と続きます。1位と47位で2.1倍もの差がありました(関連記事:『【2021年】都道府県「インスタントラーメン(カップ麺・即席麺)」消費額ランキング』)。

 

一方、「袋麺」の消費額が最も多いのは「鳥取県」で年間3329円。第2位が「熊本県」で3167円。「大分県」「佐賀県」「山口県」と続きます。1位と47位を比べると、こちらも2.1倍もの差がありました(関連記事:『【2021年】都道府県「袋麺」消費額ランキング』)。

 

【都道府県「カップ麺」年間消費額上位10】

1位 新潟県 7,458円

2位 山形県 7,121円

3位 青森県 6,645円

4位 福島県 6,511円

5位 岩手県 6,468円

6位 富山県 6,141円

7位 大阪府 6,094円

8位 宮城県 6,049円

9位 鳥取県 5,820円

10位 山梨県 5,793円

 

【都道府県「袋麺」年間消費額上位10】

1位 鳥取県 3,329円

2位 熊本県 3,167円

3位 大分県 2,813円

4位 佐賀県 2,803円

5位 山口県 2,593円

6位 高知県 2,565円

7位 新潟県 2,522円

8位 大阪府 2,501円

9位 香川県 2,463円

10位 奈良県 2,414円

 

出所:総務省『家計調査 家計収支編』2020年より

 

カップ麺はその備蓄性から、雪国での消費が多い傾向にあり、袋麺は西高東低、特に九州地区で消費額が多い傾向にあります。

 

さらにこのコロナ禍、インスタントラーメンの消費額は増えました。全国的には、カップ麺は前年比111%、袋麺は121%と、ともに増加。都道府県別に見ていくと、カップ麺の消費額が最も増えたのが「鹿児島県」で2019年度比137.6%。「長崎県」「岐阜県」「山形県」「熊本県」と続きます。一方、即席めんの消費額が最も増えたのが「岐阜県」で151.5%。「奈良県」「山形県」「三重県」「群馬県」と続きます。

 

カップ麺では5県、袋麺では3県、コロナ後に消費額が落ちていますが、ほとんどの地域でコロナ禍で大きくインスタントラーメンの消費額は増えました。各社しのぎを削り、いまや“インスタント”の域を超えているいっても過言ではない商品も。ただ心配されるのは栄養の偏り。以前から、偏食を警告する際にはやり玉に上がられてきたインスタントラーメン。プラスαの食事で、バランスの良い食生活を心がけたいものです。