日々発表される統計や調査の結果を読み解けば、経済、健康、教育など、さまざまな一面がみえてきます。今回、焦点を当てるのは「インスタントラーメン」。世帯年収や地域別に消費の傾向を見ていきます。
コロナ禍で消費額アップ…都道府県「インスタントラーメン」ランキング ※画像はイメージです/PIXTA

年収別に「インスタントラーメン」の消費額を見ていくと…

新型コロナウイルス感染拡大により、リモートワークが一般化しました。ただ、浸透しているかどうかは別問題。国土交通省『令和2年度 テレワーク人口実態調査』によると、テレワーカーの割合は19.7%。緊急事態宣言中は全国で20.4%に達するも、解除後16%台に減少。また緊急事態宣言が発令された4~5月の実施率は、首都圏が31.4%に対して地方都市圏では13.6%でした。

 

リモートワークに関しては、まだまだ課題感も多いですが、色々と宣言されるコロナ禍。在宅時間が増えたという人が多いでしょう。そのような状況下、インスタントラーメンにお世話になる機会も増えたのではないでしょうか。

 

いまや、日本の食卓には欠かせないインスタントラーメンですが、その歴史はさかのぼること1958年。日清食品が「チキンラーメン」を発売したのが、一般的なインスタントラーメンの始まりとされています。ちなみに1959年に「ベビースターラーメン」(当時「ベビーラーメン」)を発売したおやつカンパニー(当時、松田産業)は、1955年に「味付中華麺」を発売。こちらを日本初のインスタントラーメンとする説も。

 

インスタントラーメンは一気に広がり、最初の東京五輪が開催されるころには、360もの企業が生産していたそうです。1966年にはサンヨー食品から「サッポロ一番」、明星食品から「明星チャルメラ」と、いまでも人気のブランドが登場しました。

 

そして1971年9月に発売された日清食品の「カップヌードル」。カップめんの登場で、インスタントラーメンは爆発的な広がりをみせ、それは海外にも波及。現在、世界で年間1000億食を超える消費があるそうです。

 

そんなインスタントラーメンの消費について、総務省『家計調査 家計収支編』で見ていきましょう。

 

2020年、カップ麺の平均支出は、年間5250円。袋麺の平均支出は、年間2231円。お湯を注ぐだけのお手軽さからカップ麺のほうが支持は厚く、袋麺の2.3倍の消費額となっています。

 

世帯年収ごとに消費額を見ていきましょう。世帯年収200万円未満からインスタントラーメンの消費量を見ていくと、最も消費額が多いのが「年収650万~700万円未満」世帯で、カップ麺で年間5,832円、袋麺で年間2,309円。世帯年収が低くなるほど、世帯人員が少なくなり、65歳以上の家族が増えることが一因。また世帯年収が高いほど仕事をしている家族が多くなり、インスタントラーメンの購入頻度も増える傾向にあるようです。

 

【世帯年収別「インスタントラーメン」年間平均消費額】

200万円未満(3,632円/1,646円)

200~250万円 (4,298円/1,621円)

250~300万円 (4,239円/1,831円)

300~350万円 (4,203円/1,952円)

350~400万円 (4,372円/1,995円)

400~450万円 (4,914円/2,243円)

450~500万円 (5,622円/2,209円)

500~550万円 (5,456円/2,286円)

550~600万円 (5,647円/2,379円)

600~650万円 (5,832円/2,309円)

650~700万円 (6,395円/2,355円)

700~750万円 (5,882円/2,696円)

750~800万円 (5,915円/2,246円)

800~900万円 (5,849円/2,535円)

900~1,000万円(5,885円/2,627円)

1,000~1,250万円(6,296円/2,519円)

1,250~1,500万円(5,846円/2,430円)

1,500万円以上(4,840円/2,528円)

 

出所:総務省『家計調査 家計収支編』2020年より

※金額左「カップ麺」の消費額、右「袋麺」の消費額