男女間の賃金格差、その原因はいくつか言われていますが、そのひとつが雇用形態。総務省『労働力調査』によると、雇用者に対して「正社員」の割合は、男性61.3%に対し女性は39.2%。「契約社員」の割合は、男性3.8%に対して女性は4.4%、「派遣社員」の割合は、男性1.4%に対して女性は2.8%。
結婚したら退職……というのがパターンでしたが、時代とともに変化。女性の正社員の割合は増えていますがまだまだという状況。また「女性は結婚、出産を機に会社を辞める可能性が高い」という意識は根強く、昇給、昇格の機会が男性よりも少ないという現状があるようです。
また2020年4月から、パートタイム・有期雇用労働法、改正労働者派遣法等が施行され、同一企業内における正社員と非正規社員の間の不合理な待遇差が禁止されることになりましたが、その効果が現れるのは、まだ先の話となりそうです。
また雇用面で弱い立場に置かれていることが多い女性のほうが、このコロナ禍、苦境に絶たされている人が多いことが統計でも明らかに。前出の同調査によると、労働力人口(15歳以上の働く意欲のある人)のうち、完全失業者の割合である「完全失業率」は、男性3.0%に対して、女性は25.0%。働きたいと意欲はあるのに働く先がないと困窮している人が多くいるわけです。
法改正などにより、男女間の賃金格差是正のための土台は整いつつあります。ただそれ以上に、「男性は仕事、女性は家庭」という固定概念は分厚く、「男女間賃金格差、世界ワースト2位」からの脱却は、まだ先の話になりそうです。