ビジネスマンにとって、スーツは第一印象を決定付ける重要な要素です。本記事では、日本ベストドレッサー賞選考委員でファッション・プロデューサーのしぎはらひろ子氏の著書『一流の男だけが知っている 賢いスーツの買い方』(プレジデント社)より、一部を抜粋・編集して、スーツ選びで重要となる4つのポイントを紹介します。
第一印象で差をつける…「ビジネススーツ選び」の4つポイント (画像はイメージです/PIXTA)

「うんちく」よりもルールに則ったスーツ選び

スーツの起源は、15〜16世紀のヨーロッパにおける農民服だといわれています。18〜19世紀にイギリスで、貴族が着る服装として進化しました……といった歴史やうんちくは、とくに覚える必要はありません。なぜなら、いまあなたに必要なのは、明日オフィスに着ていくビジネススーツだからです。

 

本や雑誌の中には、スーツの歴史を紐解き、「だから襟の形はこうでなきゃいけないんだ」「ボタンはかくあるべきだ」――と、「ルール」に従った「正統派」のスーツを買うように導くものもあります。

 

確かに、スーツには決まった「ルール」があります。そして、その「ルール」を逸脱したスーツ、シャツがたくさん売られているのが現状です。

 

それらの中から、「ルール」に則った服を選ぶためには、スーツの歴史や進化・変化の背景を知っていなければならないことになります。

 

でも、ほとんどの男性にとっては、「そのような細かいことはどうでもいいから、とにかく仕事ができそうに見えて、相手に失礼ではないスーツを選びたい」というのが本音ではないでしょうか?

 

[図表1]「相手軸」と「自分軸」の服の比較
[図表1]「相手軸」と「自分軸」の服の比較

 

ですから、ビジネススーツのうんちくやスーツの専門的な知識をあなたが覚えたり、学んだりする必要はありません。もちろん、興味があれば勉強するのは大いに結構なことですが、無理に学ぶ必要はないのです。

 

知らないことは、知っている人にまかせればいいのです。それは、スーツの売り場の販売員です。彼らはビジネススーツの売り場に立つ以上、レベルの差こそあれビジネスファッションのプロです。それなりの知識を持っているはずなのです。

 

あなた自身がうんちくを覚えるのではなく、販売員と上手にコミュニケーションをとって、彼らが持っている知識を、最大限に引き出せばいいのです。