日々発表される統計や調査の結果を読み解けば、経済、健康、教育など、さまざまな一面がみえてきます。今回は、マイホーム「購入」か「賃貸」を考えていきます。
40歳「手取り32万円」会社員…「30年3000万円ローン地獄」か「月13万円の家賃生活」か? ※画像はイメージです/PIXTA

40歳会社員「マイホーム購入」か「賃貸」か…決断のとき

国土交通省『令和2年度住宅市場動向調査』によると、新築分譲マンション購入者の平均年齢(世帯主)は43.5歳。また新築一戸建てを建てた人の平均年齢は40.4歳、買った人の平均年齢は39.6歳。マイホームを手に入れるか、それとも賃貸のままでいるのか……40歳は、そんな決断に迫られるタイミングなのかもしれません。

 

平均初婚年齢は男性31.1歳、女性29.4歳、第1子の誕生は母が30.7歳と言われているので、マイホームを手に入れたのは「小学校低学年の子どもがいる40歳の夫婦」というのが平均的な姿をいえそうです。

 

【マイホーム取得の平均像】

■新築注文住宅

世帯平均年収 738.0万円

世帯主平均年齢 40.4歳

購入資金(住宅+土地) 4606万円(うちローン3409万円)

住宅建築資金返済期間 32.1年

土地購入資金返済期間 33.8年

 

■新築分譲住宅(一戸建て)

世帯平均年収 688万円

世帯主平均年齢 39.6歳

購入資金 3826万円(うちローン2855万円)

平均返済期間 32.7年

 

■新築分譲住宅(マンション)

世帯平均年収 798万円

世帯主平均年齢 43.5歳

購入資金 4639万円(うちローン3050万円)

平均返済期間 31.5年

 

出所:国土交通省『令和2年度住宅市場動向調査』より

 

仮に新築マンションを30年3000万円のローンを組んで購入したとしましょう。当初5年の金利を0.5%、5年目以降は1.0%仮定してみると、利息分は399万79465円。5年目までは月8万9756円の返済、5年目以降は9万5375円の返済となります。40歳で借入をしたとすれば、完済は70歳……なかなか長い道のりです。

 

平均購入金額4639万円の新築分譲マンションを東京近郊で検討したとしたら、実現できるのはどのあたりになるでしょうか。

 

大手検索サイトで見てみると、東京都江戸川区(最寄り駅、都営地下鉄新宿線「一之江」)、東京都足立区(最寄り駅、東京メトロ千代田線「綾瀬」)、東京都西東京市(最寄り駅、西武池袋線「ひばりヶ丘」)、埼玉県和光市(東京メトロ有楽町線「和光市」)など、都心へのアクセスが良く、ファミリーにも人気の街で、4LDK程度の新築分譲マンションがヒットします。

 

では同駅周辺で賃貸を検討するとなると、どうでしょう。たとえば「綾瀬」であれば、4LDKで家賃13万円のマンションがヒット。購入派よりも高めの住居費を覚悟しないと、難しいかもしれません。

 

一方、地方であれば、10万円程度の住居費で交通の利便性も兼ね備えた立地でもマンションを借りることができそうです。