たばこで得られる税金は年間2兆円!国の重要な財源だが…
全国的に禁煙へと向かっている日本。重大な疾病の要因と度々話題にもなるので、吸わない人からすれば「なぜ、たばこを吸っているんだろう」「なぜ、たばこをやめられないのだろう」と疑問に思うかもしれません。
そもそもたばこは食料品などのように、生活に絶対必要なモノではありません。特殊な嗜好品という性格をもっているため、通常とはことなる税金が課せられています。
その税は国税と地方税からなっていて、税収はそれぞれ年間1兆円。つまり合計2兆円にもなりますから、国にとっても地方にとっても貴重な財源の1つといっても過言ではないでしょう。
内訳を見ていくと、1箱540円の場合、まず「国たばこ税」が126.04円(23.3%)、「地方たばこ税(都道府県たばこ税+区市町村たばこ税)」が142.44円(26.4%)、「たばこ特別税」が16.4円(3.0%)、「消費税」が49.04円(9.1%)で、合計333.97円が税金、その割合は61.8%にもなります。
つまり購入代金の3分の2は税金をただ払っているだけで、タバコそのものの価値ではない、というわけです。
さらにJTは先月、10月のたばこ税増税に合わせて、173銘柄の値上げを財務省に申請しています。それによって代表的な紙巻きたばこは1箱あたり10~40円値上がりする予定です。また加熱式たばこについては、別途申請するとしています。
ちなみに、さきほどの1箱540円のたばこの場合、207円がJTの儲けになると考えてしまいがちですが、そのなかには販売店の取り分もありますし、JTの人件費や流通費なども含まれます。たばこの売上の4割がJTの儲け、というわけではありません。
こうして見ていくと、こんなにも国の財源を潤しておいて、度々の値上げ……「やってられない」という愛煙家も多いのではないでしょうか。値上げも迫っていますし、「これを機に禁煙!」と考える人もいるかもしれません。しかし「ちょっとした値上げではたばこはやめられない」というのが、多くの愛煙家の声ではないでしょうか。
どんなに税金が高かろうと、何回値上げしようとも……そこに「禁煙」の難しさが凝縮されています。