日々発表される統計や調査の結果を読み解けば、経済、健康、教育など、さまざまな一面がみえてきます。今回は、「喫煙者とたばこの税負担」に焦点をあてていきます。
1箱でいくら税金を払っている?愛煙家も驚く「たばこ」の税負担 ※画像はイメージです/PIXTA

喫煙者は成人の6人に1人…どんどん肩身が狭くなるが

先日、厚生労働省が公表した『令和2年簡易生命表』によると、日本人の平均寿命は女性は87.74歳、男性が81.64歳と、女性は前年から0.3歳、男性は0.22歳延び、いずれも過去最長を記録しました。世界でみると、女性は香港に次いで第2位、男性は香港、スイスに次いで第3位。世界における長寿国という地位を保っています。

 

2020年といえば新型コロナウイルスの猛威で多くの死亡者を出しましたが、一方でがんや心疾患、脳血管疾患などの死亡率は低下。厚生労働省では、感染対策の徹底によりインフルエンザでの死亡率も減ったことで、平均寿命がさらに延びたのではないかとしています。

 

そんな日本人において、死亡の主な要因になっているのが、いわゆる三大疾病。そして三大疾病を引き起こすとされているのが、喫煙です。

 

何かと肩身が狭くなっている愛煙家ですが、厚生労働省『国民生活基礎調査』によると、2019年、成人の喫煙率は16.7%、男性で27.1%、女性で7.6%となっています。男性では1995年以降、減少傾向にあり、女性では2004年以降、ゆるやかに減少傾向となっています。

 

2007年策定の「がん対策推進基本計画」では、たばこ対策ががんの予防のための重要な施策として位置づけられ、さらに2012年策定の第2期「がん対策推進基本計画」では2022年度までに成人喫煙率を12%とすることが目標となり、日本における喫煙率は着実に減っています。

 

都道府県別に見ていくと、最も喫煙率が高いのが「北海道」で22.6%。男女別にみると、男性で最も高い喫煙率を誇るのが「佐賀県」で35.8%、女性では「北海道」で14.8%となっています。

 

【都道府県「喫煙率(男女計)」上位10】

1位 北海道 22.6%

2位 青森県 22.1%

3位 福島県 21.9%

4位 佐賀県 21.2%

5位 宮城県 21.0%

6位 岩手県 20.9%

7位 秋田県 20.6%

8位 千葉県 20.2%

9位 栃木県 19.8%

10位 福岡県 19.8%

 

【都道府県「喫煙率(男性)」上位10】

1位 佐賀県 35.8%

2位 岩手県 34.8%

3位 青森県 34.4%

4位 秋田県 33.9%

5位 福島県 33.8%

6位 宮城県 33.3%

7位 福岡県 31.8%

8位 長崎県 31.7%

9位 北海道 31.7%

10位 鹿児島県 31.2%

 

【都道府県「喫煙率(女性)」上位10】

1位 北海道 14.8%

2位 青森 11.2%

3位 福島 10.5%

4位 大阪 10.4%

5位 千葉 10.4%

6位 栃木 9.6%

7位 宮城 9.5%

8位 埼玉 9.3%

9位 福岡 9.3%

10位 群馬 8.9%

 

厚生労働省『2019年国民生活基礎調査』より作成

 

また国を挙げて喫煙率を下げようと取り組んでいますが、都道府県別にどれほど喫煙者が減っているか、減少率で見てみると、2001年と比較して最も減少幅が大きいのが「奈良県」で50.2%。一方で減少幅が最も小さかったのが「沖縄県」で81.7%。ちなみに最も喫煙率の高かった「北海道」では減少率57.8%と、大きく喫煙率が減少しています。

 

【都道府県「喫煙減少率」上位10】

1位 奈良県 50.2%

2位 兵庫県 54.7%

3位 山口県 54.8%

4位 和歌山県 55.3%

5位 香川県 55.3%

6位 島根県 56.3%

7位 徳島県 56.4%

8位 滋賀県 56.5%

9位 愛媛県 56.9%

10位 山形県 57.1%

 

厚生労働省『2019年国民生活基礎調査』より作成

※2001年と2019年の比較