メキシコからの移民が急増したことで、これ以上の人を受け入れることに対し懸念を示し、難民の上限人数を据え置くと発表していたバイデン大統領。与党・民主党の有力議員や難民機関の大きな反発を受け、トランプ前大統領が設けた上限受け入れ人数、1万5千人のおよそ4倍、6万2千5百人へ引き上げることを発表しました。今回はオープンハウスのウェルス・マネジメント事業部が、「難民の受け入れ緩和」の方針による、不動産市場への影響について解説します。

 

国際通貨基金(CNBC)の分析によると、米国、中国、日本、ドイツが上位4位を占めている点は変わらないものの、ブラジルがトップ10から外れるなど、大きな変動が見られます。このランキングは国際通貨基金のWorld Economic Outlook(世界経済見通し)データベースで提供されているすべての国の名目国内総生産を、米ドルで比較したものです。

 

2019年に世界第5位の経済大国となったインドは、昨年、英国に次ぐ6位に落ち込みました。インドでは、新型コロナウイルスの封じ込めに苦労しており、4月中旬にはブラジルを抜いて、世界で2番目に感染状況が悪い国になりました(1位はアメリカ)。エコノミストは、1か月のロックアップが再び全土に課せられた場合、インドの年間GDPは100~200ベーシスポイント減少すると推定しています。

 

また、ブラジルは2019年の第9位から12位に転落。TOP10から唯一外れた国となりました。ブラジルの新型コロナウイルス感染状況は、感染者数が世界3位、死亡者数が世界2位と、効き的な状況にあります。しかし、ジャイル・ボルソナロ大統領はウイルスの脅威を軽視しており、ブラジル経済の回復には苦労するとエコノミストは述べています。

 

一方で、ブラジルに変わってが10位に上昇したのは韓国。少なくとも2026年まではこの順位をキープすると予想されています。韓国は昨年、ウイルスの封じ込めにある程度成功し、経済の縮小はわずか1%ほどでした。

 

コンサルティング会社のCapital Economics社のエコノミストは、ウイルスの不確実性にも関わらず、国の製造業と輸出部門は依然として強いと述べています。さらに「オンラインショッピングが増加している影響で、ウイルスが発生していても、消費は回復力を増している。しかし、接客業や娯楽産業は依然として非常に弱い」と付け加えています。

 

ブラジルの転落に見られるように、新興国経済は安定性を欠く点がリスキーです。不動産投資先を選定する際にも、成長性だけでなくリスクにも目を配りたいものです。

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本記事は、富裕層のためのウェブマガジン「賢者の投資術」(Powerd by OPEN HOUSE)にて公開されたコラムを、GGO編集部にて再編集したものです。