2020年3月以降、米国では新型コロナウイルスのパンデミックにより最初の数週間で2,050万人が失業。世界恐慌以来、最悪の失業率となっていました。しかし、ワクチン等により米経済回復の兆しが見えてきた現在、プルデンシャル・ファイナンシャル社の調査によると、米国の4人に1人が転職を計画しているという調査結果が報告されているのです。今回はオープンハウスのウェルス・マネジメント事業部が、不動産投資の観点から見た「米国人の転職展望」について解説していきます。

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現実味を帯びるアメリカの「TPP」復帰

日本とアメリカは大きくなる中国の影響力に対抗するため、関係をさらに深めようとしています。それを裏付けるように、バイデン大統領が就任以来初めて、対面で会談をする外国首相に菅義偉首相を選び、4月16日に会談が実現しました。

 

いますぐに米国がTPP(環太平洋連携協定)に復帰することはハードルが高いものの、新型コロナウイルスのパンデミックが収束していけば、復帰する未来もありえるかもしれません。

 

米国は2017年、トランプ前大統領がTPPを離脱。これにより、TPPが中国と互角に渡り合える同盟となるチャンスは失われました。

 

その後、アメリカに代わり日本が主導する形で、残る11か国が18年に「環太平洋連携に関する包括的および先進的な協定」に署名。しかし、現在の加盟している国々だけでは、中国と経済規模で張り合うには力不足です。パースUSアジアセンターによると、当初のTPP参加国のGDP(合計国内総生産)は世界団体のほぼ40%を占めていましたが、現状の加盟国合計は13%です。

 

こうした状況からTPP側は、米国が復帰しやすいような協定内容が提案しています。貿易障壁を下げ、国営企業や労働問題、環境、デジタル取引といった分野でもルールを設定。日本は米国の復帰を待ち望んでいますが、米国からすれば今はまだ復帰するタイミングではありません。

 

米国のパンデミックは峠を越えたように見えるものの、米国の失業率は、昨年の3.5%を大きく上回った6%の状況で、国内の問題が山積みだからです。

 

一方で、米連邦準備理事会は今年の米成長率が、6.5%に加速、失業率は3.9%に低下すると予想しており、今後米経済が改善すればTPP復帰が現実味を増すでしょう。

 

このように注目の高まるTPPですが、米国不動産投資への制度的影響はそれほどないと考えられます。米国は、もとから外国人の投資が自由であるためです。一方で、米国人投資家がベトナムなどの成長国に投資先を鞍替えする可能性はあるため、米国不動産市場から資金が流出するかもしれません。

米国の4人に1人は、パンデミック収束後に転職を計画

2020年3月以降、米国では新型コロナウイルスのパンデミックにより最初の数週間で2,050万人が失業。世界恐慌以来、最悪の失業率となりました。

 

しかし、米経済回復の兆しが見えてきた現在、プルデンシャル・ファイナンシャル社の調査によると、米国の4人に1人が転職を計画しているという調査結果が報告されています。

 

2021年3月に、モーニング・コンサルタント社は2000人の労働者に調査をし、次のような結果が出ました。

 

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本記事は、富裕層のためのウェブマガジン「賢者の投資術」(Powerd by OPEN HOUSE)にて公開されたコラムを、GGO編集部にて再編集したものです。