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【オープンハウスのアメリカ不動産投資セミナー】
アメリカの自然災害リスクは地域によって大きく異なる
前回の記事では、アメリカの自然災害リスクについて解説しました。今回は日本に住む私たちがアメリカ不動産投資を行う上で、現地の災害リスクにどう向き合うべきかを解説します。
アメリカは日本の約26倍もの国土を有する広大な国です。西海岸北部のシアトルから東海岸南部のマイアミまでは飛行機で約6時間もかかります。当然、州・地域によって自然災害の影響は大きく異なり、毎年被害を被っている地域もあれば、自然災害とはほぼ無縁の地域もあります。
FEMA(アメリカ合衆国連邦緊急事態管理庁)が発表している「自然災害が多い州」ランキングでは、1位はカリフォルニア州、2位テキサス州、3位オクラホマ州。反対に「自然災害が少ない州」は、1位がデラウェア州、2位がロードアイランド州、3位はサウスカロライナ州となっています(※1)。
ちなみにFEMAが1953年から調査している災害発生件数を見てみると、自然災害が最も多いカリフォルニア州の発生件数は255件/年、最も少ないデラウェア州は21件/年であり、単純計算でカリフォルニア州はデラウェア州の12倍も自然災害が発生していることがわかります(※2)。
大きな州では、「都市によっては安全」なことも
とはいえ、自然災害発生上位のカリフォルニア州やテキサス州は面積が大変広いため、州全体で自然災害リスクが高いかというと、そうとも言い切れません。実際、テキサス州北部はトルネード・アレイ(竜巻街道)と呼ばれる地域に含まれますが、テキサス州西側に位置する都市は比較的トルネードの被害が少ないことで知られています。
また、自然災害が多い地域では、リスクに備え、物件自体も進化しています。昨年、カナダの建設会社が発表したハリケーンに強い家には、壁にペットボトル60万本分の再生プラスチックパネルが使用されており、強度はカテゴリー5の強さのハリケーンにも耐えられるほどだといいます(※3)。
数年前のハリケーン「イルマ」による洪水被害が大きかったフロリダ州では、高床式の家やポンプ機能を備えた建物が増加しています。マイアミ都市圏は、ハリケーンに加え、「キングタイド(極端な大潮)」によって地下水が地上にあふれる現象が深刻化しているため、30〜40年後には、嵐に強い高床式のタワーマンションが主流になると考えている建築家もいます(※4)。
こうした都市単位の災害リスクや、物件の耐久性などの詳細な情報はなかなか日本からでは調査しづらいものです。正確な情報を入手するためには、現地事情に詳しいパートナーを見つけるのが得策かもしれません。
リスクヘッジとしての「保険加入」は重要
自然災害は予測できないものです。特に近年は異常気象により、以前は考えられなかった規模の被害が発生するケースも相次いでいます。過去のデータから自然災害の少ない地域、リスクの少ない物件を選んでも、安心とは言い切れません。備えとして、保険への加入は重要と言えるでしょう。
実は、アメリカの一般的な不動産保険(Home Owner’s Insurance)は、必ずしも洪水やハリケーン、地震などの自然災害を全般的にカバーしているわけではありません。
山火事も含めた火災による被害や、雷や風による被害(原因がハリケーンであっても)は対象になる場合が多いようですが、同じハリケーン被害でも洪水は対象にならない場合が多いようです。また、洪水はカバーしていたとしても、下から上がってくる水、浸水などの条件は対象にならないこともあるようです。
自然災害リスクに細かく備えるためには、一般的な不動産保険加入のほかに、洪水保険、ハリケーン保険、地震保険などを個別に検討することも必要だといえます。
しかし、どの保険がどこまでの災害をカバーしているかは、各社で細かな違いがあるため、事前に保障条件をしっかりチェックすることが欠かせません。リサーチが難しいような場合は、例えばオープンハウスでも災害保険を含んだアメリカ不動産の保険プランを提案しているので、日本の不動産投資会社にまずは話を聞いてみるのも、一つの手です。
リスクとリターンのバランスを常に考えることが重要
アメリカ現地の自然災害リスクを考慮しながら物件を選ぶのは、日本人にとっては簡単なことではありません。
重要なのは、投資を行う際に、常にリスクとリターンのバランスを考えること。いくら災害リスクの低い物件でも、そもそもの投資価値が低ければ意味がありませんし、住民数が増え不動産需要が高まっている地域なら、災害リスクが多少高くとも「買い」だとみなせます。
また災害保険に入るのが望ましいといっても、低価格な物件に高額な保険をかけるのは、コスト的に不釣り合いになってしまいます。
自然災害に対する備えとして最も重要なことは、リスクをいたずらに怖がらないこと。そして正確な情報をもとに正しく警戒すること。常にリスクとリターンの両面を天秤にかけながら、的確な判断を下していきましょう。