都内にて単身者向けワンルームマンションの開発、建築、管理までトータルして行う不動産会社「SYLA(シーラ)」。入居率99.8%の好結果だけではなく、新築時から賃料が年々増すなど普通では考えにくい成果も得ています。暮らしやすさと美しさを兼ね揃えた、スタイリッシュなデザインも愛される理由の一つであり、「シーラの開発したマンションに住みたい」と、入居待ちされる方も出るほどです。今回は、シーラのデザイン、設計、品質管理までを担う、建築マネジメント部の執行役員 南雲 俊章氏に、2013年にシーラが建築した「シーフォルム西新宿五丁目」をテーマに、物件を作る上でのこだわりやや心がけていること等、お話をお伺いしました。

多種多様な暮らしにフィットさせるための工夫

――では今回、「シーフォルム西新宿五丁目」をテーマにしながら、様々なお話をお伺いできればと思っております。よろしくお願いいたします。

 

シーラは「シーフォルム西新宿五丁目」に限らず、シーフォルムのシリーズ全てにおいて「長く愛される」をベースにデザインされていますよね。建築をする上で、「長く愛される」とは、具体的にどのようなことを心がけているのでしょうか?

 

南雲:建物は、一度作るとそう簡単に作り替えられるものではありません。デザインには流行の移り変わりがありますので、流行が去ったあとでも廃れないようなデザインでありつつ、シーラなりのこだわりも取り入れて作っています。

 

他にこだわる点として、機能性、またメンテナンスをする際、いかに良質な設計/資材を活用しつつ予算内で建築できるのか。この辺りにも重点を置き考える必要があります。

 

――機能性とは、具体的にどのような部分になるのでしょうか?

 

南雲:たとえばコンセント一つとっても、部屋のどこに設置するのかによって、家具のレイアウトのしやすさは変わってきます。テレビやベッドを部屋のどこへ置くのかは住む人によって違いが出てきますし、我々には想像のつかないところでもあります。多種多様な人の暮らしに対応できるように、コンセントの設置場所や数までこだわって決めるなど細部にまで気を配りながら一つ一つ決断していきます。

 

――単身者の住むワンルームマンションと、家族で暮らすファミリーマンションとを比較し、ワンルームの方がレイアウトをより気にする必要があるのでしょうか?

 

南雲:そうですね。ファミリーの場合はリビングなど暮らしの想像もしやすいのですが、単身者の場合、一人一人それぞれに多様な暮らし方をされる分、よりイメージを膨らませながらプランニングする必要があります。

 

――「ワンルーム=多様な生き方」という考え方が根底にあるのですね。

 

南雲:はい。いかに多様な生き方を尊重しつつ「住みやすさ」を提供できるかが我々の仕事だと思っています。

 

――確かに、多様な生き方を尊重しながら、住みやすさを提供することは難しそうです。「住みやすさ」を実現するために心がけていることはありますか?

 

南雲:たとえば、先ほどお話したコンセントの配置場所へのこだわりも、住みやすさを実現するために心がけていることです。もっというと、コンセントの線が見えてしまうと部屋全体が綺麗ではありませんよね。そういった細部まで気を配ることが、最終的な住みやすさへ繋がるとも考えています。他に、収納場所を多く作ることも住みやすさには欠かせません。

 

――一つ一つ細部にまでこだわることで、住む人が快適な暮らしを送れるわけですね。

 

南雲:そうですね。そういった配慮をしつつ、シーラの思いも注ぎ込みながら良い物件を作っています。

 

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