なぜコロナ禍でも「アメリカ不動産市場」は安定しているのか

アメリカでは2020年5月下旬ごろから、新型コロナウイルス感染症対策のロックダウンを段階的に解除し、経済活動を少しずつ再開する州が出てきました。今回は、現状でのアメリカの住宅市場への影響や、今後の可能性について紹介します。※「不動産投資ガイドBOOK」を無料プレゼント中!詳しくはコチラ

[PR]「優良物件を安く買う⁉」
【オープンハウスの不動産投資】詳しくはこちら>>>>

コロナ禍でも「住宅価格」が安定している理由とは?

5月中旬の時点で不動産市場は相変わらず急落することもなく、安定しています。3月の全米の売買価格中央値は前年同月に比較して8%増加しています。また、4月25日時点で売り出し価格の減額をした売主は、わずか4%です。

 

住宅価格が安定している理由には、住宅供給数が不足気味ということも挙げられるでしょう。3月の販売物件は前年同月比で10.2%減と、大きく減りました。多くの売主が、売り急ぐことをせず、現状はやり過ごして経済活動が再開するまで、販売を見合わせているようです。

 

一方で需要は下がっていません。ニューヨークやカリフォルニアといった、新型コロナウイルスの影響が大きいエリアでさえ、4月24日時点で購入申込みの件数が倍増しているという結果が出ています。供給戸数が限られている一方で、需要は高まっているのです。

 

「新型コロナ」の影響が大きいエリアでも需要拡大中
「新型コロナ」の影響が大きいエリアでも需要拡大中

 

この新型コロナウイルスの影響による経済の悪化は、2008年頃のリーマンショック以上だとも言われていますが、住宅市場の状況でいえばリーマンショックの時とは様相が大きく異なり、今後の見通しは明るいと言えるでしょう。専門家等も不動産価格は微増の傾向のまま安定していると見ています。

[PR]「優良物件を安く買う⁉」
【オープンハウスの不動産投資】詳しくはこちら>>>>

不動産業者は、あまり値下がりを予想していない

次に、全米リアルター協会(不動産業者の協会)のアンケート調査を見てみましょう。メンバーに対して5月10、11日にアンケートを行い、3,121件の有効な返答を得たというものです。

 

それによると、『住宅価格は下がると思うか』という質問に対し、『下がるとは思っていない』という買主がもっとも多く、42%となっています。『下がるとは思うが、5%以内にとどまる』という買主を合わせると60%に上ります。

 

※注・2020 NAR Flash Survey: Economic Pulse May 10-11, 2020資料より引用
[図表1]『住宅価格は下がると思うか』という質問への回答 ※注)2020 NAR Flash Survey: Economic Pulse May 10-11, 2020資料より引用

 

また、売主のほうでは、『物件価格を下げてでも住宅を売ろうと思うか』という質問に対し、72%が『売り出し価格を下げようとは考えていない』と答えています。

 

注)2020 NAR Flash Survey: Economic Pulse May 10-11, 2020資料より引用
[図表2]『物件価格を下げてでも住宅を売ろうと思うか』という質問への回答 注)2020 NAR Flash Survey: Economic Pulse May 10-11, 2020資料より引用

 

このように、住宅価格の下落はあまり予想されておらず、強く期待もされていないようです。また、売主は強気を保っており、売るために物件価格を下げる必要はないと思っているようです。コロナ禍においても不動産価格は上昇を続けていますが、それを裏付ける心理状況であることがうかがえます。

「所有持分の高さ」が住宅価格を安定させている

経済への悪影響はリーマンショック時以上といわれているのにも関わらず、なぜ住宅価格は下がっていないのでしょうか?

 

[PR]「優良物件を安く買う⁉」
【オープンハウスの不動産投資】詳しくはこちら>>>>

 

あくまでも現時点での話ですが、今のところ差し押さえ物件は少なく、そのために叩き売りされている物件が出てきていないため、住宅価格が下がっていないということが一つの大きな要因だといえます。

 

差し押さえが少ない理由はいくつかあります。まず、新型コロナウイルスの影響で失業率は高いものの、アメリカでは日本と雇用制度が異なり、もともと簡単に解雇ができます。それもあり、普段から解雇や転職など、雇用の流動性は高く、景気が回復すれば、また復職する可能性は高いのです。

 

また、日本では特別定額給付金が一人あたり10万円給付されますが、アメリカでは新型コロナウイルスの影響で収入が失われた場合、失業保険の他に連邦政府から月額2,400ドル(約25万8,000円)もの給付金が支払われる制度があり、失業に対する手当が非常に手厚いため、すぐに生活が困窮するわけではない人も多いようです。

 

そして、リーマンショック時の不況と比べて大きく異なるのが、住宅所有者の持分割合です。リーマンショックは、信用度の低い、借り手向け住宅ローンの焦げ付きに端を発したものでした。

 

しかし、2020年現在、全米の住宅のうち58.7%の物件では、所有者の持分が60%以上となっています。これはリーマンショックの2008年頃と比べてかなり高い割合です。負債割合が低いため、ストレス耐性が強く、不況になったときでも銀行に差し押さえられる可能性が低くなります。

 

さらに、全米の住宅のうち42%は抵当権の設定がされていない住宅でした。抵当権の設定がされていなければ、急いで所有物件を売りに出す必要もなく、叩き売りされた物件が市場に出てくることもないわけです。

 

これらが、現時点で住宅価格が下がっていない大きな要因になっていると考えられます。

「住宅の需要」と「買主の購買欲」が高まっている

住宅市場では在庫が減っている一方、アメリカの不動産ポータルサイト『Zillow』は検索トラフィックの増加を報告し、同じく『Redfn』は購入検討者からの問い合わせの増加を報告しています。また、4月24日までの週は、住宅ローンの申込みが急増しました。住宅ローン金利低下の効果が出ているのかもしれません。これらの情報から、住宅の需要と買主の購買欲が高まっていることがうかがえます。

 

これまで都市部で隣人との距離が近い賃貸住宅に住んでいた人が、一戸建ての賃貸や購入に向かうかもしれないという予測もあります。

 

もちろん、新型コロナウイルスの今後の影響はまだ分かりません。しかし、今のところ不動産市場に関していえば、リーマンショック時よりもずっと安定した状態になっているということは言えそうです。

 

 

 

オープンハウス ウェルス・マネジメント事業部

東証一部に上場しているオープンハウスでは、自社グループが一環となり、物件の見極め、融資・購入から管理まで、オープンハウスにしかできないワンストップサービスをご提供いたします。

オープンハウス主催!アメリカ不動産投資セミナーはこちら

著者紹介

連載「勝つ」ために知っておくべき「アメリカ不動産投資」の基礎知識

※本記事は、オープンハウスのアメリカ不動産投資 海外不動産コラムで2020年5月25日に公開されたものです。