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国公立を目指しているなら「模試の結果」は重要だが…
医学部受験では、「模試ではA判定だったのに落ちる」、逆に「C判定だったのに合格する」といった番狂わせがよく起こります。これには、受験生や保護者の方が見落としがちな「受験形態の落とし穴」が隠れているのです。以下に説明していきます。
保護者の方のなかには、子どもの小学受験や中学受験を経験した人も多いことでしょう。塾講師や学校の先生と話すなかで、「C判定だから志望校を変えたほうがいい」と言われた記憶はありませんか? 小学受験や中学受験は、浪人という概念がありませんから、ほとんど一発勝負の世界です。なので、C判定が出た学校に絞るような冒険は避け、A判定、B判定といった安全圏へ志望先を変えることがあります。このような経験をしていると、どうしても、「模試の結果=志望校に対する自分の実力」と、捉えてしまいがちですよね。
しかし、医学部受験の場合は事情が異なります。
大手予備校が開催する模試は、テストを受ける人数のケタが違いますから、ありとあらゆる学校にまんべんなく対応できるよう、クセのない問題で構成されています。国公立大学の受験を考えている場合は、効果的な試験であるといえるでしょう。
一方、私大の受験問題は、大学ごとに強い特色が見られます。センター試験のように、簡単な計算問題をひたすら羅列するパターンもあれば、少ない問題数で応用力を見極めようとする方式など、その種類はさまざま。これらの「変化球」とも呼べる問題に、大手予備校の開催する模試は対応していないのです。
つまり、模試の結果がいい人は、「まんべんなく基礎が身に付いている人」「正攻法からくる問題には強い人」とはいえますが、だからといって、私大の試験問題を解く実力があるとは限らないのです。
たとえば、大手予備校の模試で、とある私立大学のA判定を獲得したとします。「これなら問題ないや」と考え、私大対策をひとまず先送りにし、1月のセンター試験対策を重点的に行ったら、どうなるでしょうか。センター試験は大変基礎的な問題で構成されていますから、模試の判定と整合性のある結果はでることでしょう。しかし、「基礎的な内容をまんべんなく」という学習ばかりをしていると、その直後に訪れる私大の試験で、クセのある問題に対応し切れなくなる可能性があります。いわゆる「センターボケ」です。このような事態を防ぐためにも、志望校への対策は、早め早めに取りかかっておくべきです。
不安を煽るようなことばかりをいいましたが、裏を返せば、私大問題の対策をしっかりと行っているのなら、大手予備校の実施する「模試のC判定」は、そこまで悲観材料ではないということです。
どうしても、子どもも保護者も絶望してしまいがちですが、必要以上に振り回される必要はありません。対応さえできているなら、「C判定は射程圏内」です。
たとえ焦って志望校のランクを下げたとしても、大学ごとの問題のクセを知らなければ、結果にはつながりません。受験生や保護者は、「模試の結果」だけに囚われてはいけない、ということを、今一度心に留めておきましょう。
子どもに「マッサージ」をしてあげよう
いくら模試の結果に囚われ過ぎてはいけないとはいえ、受験勉強も佳境に入ってくると、保護者の方もわが子に対して、「偏差値は上がったのか」「苦手科目は克服できているか」などと、細かいところまで気になってくるものですよね。
なかには、少し休憩しているわが子を見るだけで、「気が緩んでいるようだ。普段も勉強をサボっているのでは?」と心配になる人もいるようです。特に11月頃になると、試験期間も近づき、「携帯をいじりすぎ」「帰りが遅い」「テレビを見ている暇があったら勉強を」と注意してしまう保護者の方が少なくありません。こと模試に関していえば、C判定が出た当日、自室でスマホを見ているわが子を発見し、物を投げ合う親子喧嘩にまで発展した、という声すら聞かれます。
受験勉強が苛烈極まるなか、親子関係は円満でいたいものです。心配でたまらなくなったときは、まず保護者の方は「自分自身がナーバスになっていないか」ということを、確かめてみませんか。
当然ですが、保護者の方は予備校で勉強している姿を見ることはできません。家でスマホをいじっているところを見て、不安になるのも当然のことです。しかし、保護者の方の「イライラ」「焦り」は、必ずわが子に伝わります。そんな不安定な心理状態で接してしまうと、子どもはストレスを感じてしまいます。どちらにとっても、プラスになりません。
子どもの様子を探りたくて「勉強大丈夫なの?」「対策は間に合うの?」と質問することは、プレッシャーを与え、かえって子どもを追い詰めます。また、自身も上位校の出身者だと、「この単元難しいの?」「どこがわからない?」「どうしてできないんだろうね?」などと言ってしまいがちですが、こうしたフレーズも危険です。子どもに寄り添ったつもりが、嫌味や皮肉に捉られてしまい、険悪な仲になってしまうことがあるからです。
何かしたい、声をかけたいと思うのが親心というものですが、「何も言わない」というコミュニケーションも必要です。
たとえ本人の口から「もうダメかも」「無理かもしれない」などの弱音が漏れたときも、むやみやたらにアドバイスをするのではなく、まずはじっと聞くことが大切です。
「聞いてもらえた」という安心感だけで、落ち着きを取り戻すきっかけになります。とにかく傾聴に徹し、何か意見を求められたときに、初めて考えを口にするようにしましょう。
たとえば、言葉を交わさないコミュニケーションとして、マッサージをしてあげるのはおすすめです。特に今の時期、プレッシャーで首も肩もガチガチに凝っている子が多いです。親が何も聞かずに体をほぐしてくれるだけで、子どもは「わかってくれているんだ。サポートしようとしてくれているんだ」と感じ、心の支えになります。
亀井 孝祥
医学部受験専門予備校メディカ 代表