不動産投資では「再開発エリア」が狙い目だと言われます。今回は、再開発エリアの魅力とともに、現在注目すべきエリアを紹介します。※本連載は、将来お金に困ることがないように、若いうちからできるライフプランニングに役立つ情報を紹介する「ライフプランnavi」の記事を抜粋、一部改変したものです。

再開発による地価高騰・人口増で賃貸ニーズもアップ!

再開発は、敷地の細分化・建物の老朽化や密集化が顕著なエリアに対し、敷地の統合、大規模複合施設の建設などを行う計画です。都市再開発法に基づき地方公共団体が計画・施工、多くの民間企業や団体と協力して長期間に渡って進められます。

 

公園など公共施設の充実も図られ、合理的な都市空間を形成。再開発が行われたエリアは、街が整備され住みやすくなり、景観も向上し魅力が増します。このような再開発エリアが、不動産投資対象として優れているのはどのような点でしょうか。

 

●不動産価格上昇

 

さまざまな施設が充実し街全体が活性化すれば、当然、不動産価格は上昇し賃貸物件の家賃の上昇が期待できます。

 

●人口増

 

商業施設・オフィスが増えると、エリアに人が集まります。エリアとしての魅力が増せば、当然居住者も増えるでしょう。

 

●賃貸需要アップ

 

施設の充実で集客力のある地域になり、景観の良い街になれば、街のブランド化が進みます。居住希望者も増加、賃貸の需要もアップするはずです。

要注目は「都心・臨海・ターミナル駅」エリア

例として、東京の再開発エリアを確認してみましょう。

 

●現在も将来も進む都心の再開発

 

東京都心ではいくつもの再開発が進行中です。オリンピック以降、投資不動産の利益確定売りが始まり、不動産マーケットは冷え込むという見解があります。しかし、都心の再開発は東京オリンピック終了後も予定されており、再開発による賃貸需要がストップすることはないでしょう。

 

【現在進行中の代表的な都内再開発計画】

春日・後楽園駅前地区市街地再開発

中野二丁目地区第一種市街地再開発

 

【オリンピック終了後の代表的な東京再開発計画】

2022年 新宿 TOKYU MILANO 再開発・竣工

2023年 渋谷駅桜丘口地区再開発・竣工

2023年 虎ノ門・麻布台地区第一種市街地再開発・竣工

2024年 東京駅前八重洲一丁目東地区市街地再開発・竣工

 

●臨海エリアには引き続き注目

 

市場移転問題で注目された「豊洲エリア」、東京オリンピックに向けた準備が進む「晴海エリア」を含む湾岸エリアは、引き続き注目エリアでしょう。晴海エリアは、オリンピック終了後に選手用宿泊施設が住居・店舗などに再整備される予定です。居住者が増えるため、保育所・小中学校・老人ホームも整備され、人口が約1万2,000人になると予想されている大規模な再開発となります。

 

●ターミナル駅周辺・虎ノ門周辺

 

新宿・渋谷・品川・池袋など、ターミナル駅周辺エリア、虎ノ門・麻布台周辺の都心でも、大規模な再開発が進んでいます。もともとにぎわっているエリアですが、商業施設・オフィス、公共施設、複合施設ビルなどが整備されることで、より利便性の高い街になり、ブランド化が進むでしょう。

再開発エリアの物件を購入する際の注意点とは?

再開発エリアの魅力、お分かりいただけましたか。では、このエリアの物件購入の際は、どのような点に注意が必要なのかお伝えします。

 

●資産価値上昇は未確定

 

再開発エリアは、すべての不動産の価値が上がるわけではありません。

 

●計画の変更もありうる

 

また、予定通りに再開発が進まず、計画の一部が変更される可能性もゼロではありません。その場合、再開発されても不動産価値は上がらないかもしれません。値上がりを見込んで取得した物件が、取得金額よりも価値が下がるリスクもあります。

 

●タイミングも大切

 

再開発が順調に進みブランド化が成功した地域であっても、取得時に既に大きく値上がり済みで、それ以上の価格上昇・賃料アップを期待できないケースもあります。再開発が進行中のエリアで物件を購入したい場合、再開発情報は公開されているので、資料を熟読し、数年後をしっかりイメージしてみましょう。最新情報にも注意します。

 

また、上記のエリアはどこも物件価格が高いところばかりです。予算的に最寄り駅が厳しければ、隣の駅から近い物件も検討してみましょう。魅力的な街のそばであれば、入居希望者の心配をする必要はないはずです。

計画の変更も…慎重な判断が必要

再開発エリアは、大規模な投資で街が住みやすくなり、エリアとしてブランド化が進みます。当然賃貸需要に関して非常に期待できるマーケットです。このエリアで不動産を所有すれば、空室リスクは大きくはないでしょうし、値上がり具合によっては売却益を狙っていくこともできるかもしれません。

 

ただし、開発計画は数年単位。資産価値の上昇は約束されたものではありませんし、計画そのものの変更もありえます。購入時の価格が最高で、その後停滞する場合もあるでしょう。物件購入の際は、公開されている情報をしっかり収集したうえで最新情報にアンテナを張り、十分検討して判断しましょう。

 

 

※本連載は、『ライフプランnavi』の記事を抜粋、一部改変したものです。