日本人からも人気の高い「セブ・リゾート」。この地に2023年、最高級ホテル&レジデンス「ARUGA(アルーガ)」が誕生します。開業はまだ4年も先ですが、第1期の販売では発売開始と同時に申し込みが殺到しました。なぜ世界の投資家は、このホテル&レジデンスに注目しているのでしょうか。今回は「ARUGA」のできるセブの現状を見ていきましょう。

セブに世界の投資マネーが流入し始めている

米国の『U.S. News & World Report』誌は2018年版の「投資するのに適した国々(Best Countries to Invest In)」という記事で、投資に適した国の第1位にフィリピンを選びました。

 

またHSBCは「2050年の世界のGDP予想ランキング」で、2012年世界41位だったフィリピンを、2050年には世界16位になると予測し、「世界で一番成長する国」としてフィリピンを選びました。

 

世界中の投資家が、いま、フィリピンに興味を寄せているといっても過言ではないのです。

 

世界が注目したのは、まずは人口です。投資国を検討するうえで人口は重要な指標の1つになりますが、フィリピンは東南アジアNO.1の出生率と人口増加率を誇ります。さらに人口ボーナス期(総人口に占める生産年齢人口が増える状態)は、タイでは2031年、ベトナムでは2041年、インドネシアでは2044年、マレーシアでは2050年に終了すると言われているなか、フィリピンでは2062年まで続くと推測されています。いかにフィリピンの人口増加が力強いかわかるでしょう。

 

また労働力となる若年人口が多いのも、大きなアドバンテージです。日本の平均年齢は45.2歳といわれていますが、フィリピンでは24.2歳で、世界から見ても“若い国”といえるでしょう。

 

このような背景により、国際的格付け会社S&Pグローバルはフィリピンの信用格付けを「BBB+」に引き上げ、格付け見通しは「ステーブル(安定的)」としました。今後、さらに世界の投資マネーがフィリピンに向かうと予想されます。

 

これまでフィリピンへの投資マネーは、首都のマニラ、その中心であるマカフィに集中していました。そして次の投資先として注目されているのが「メトロ・セブ」です。

 

セブと言えば、リゾートというイメージが強いでしょう。しかしメトロ・セブは、マニラ首都圏に継ぐ、第二位の大都市圏という側面を持っています。セブ島の人口はおよそ300万人、半径8キロ圏内にほとんどの経済が集中しています。日本で例えるなら、大阪や名古屋程度の規模の都市が、さらに凝縮しているイメージです。

 

フィリピン第2位の都市圏を形成するセブ
フィリピン第2位の都市圏を形成するセブ

 

メトロ・セブは、2,000年以降の人口増加率が約3%と、フィリピン全体の平均1.9%を大きく上回っています。国際協力機構(JICA)では、2050年には500万人にまで拡大すると予測し、労働力人口、個人消費の拡大、住宅需要の増大など見込まれています。

 

世界企業の進出、インフラ整備…成長続けるセブ経済

セブの成長はまだスタートラインです。首都・マニラに比べて物価も人件費も安く、英語を公用語とする労働者が豊富です。そんな低コストで質の高い人材を確保できると目をつけたのが、欧米のグローバル企業でした。セブの経済特区、ITパークには、米大手ITサービスのIBMや、米大手銀行のJPモルガン・チェースといった欧米のグローバル企業がコールセンターなどを開設し、日本企業では京セラやNECなどが開発拠点を設けています。

 

将来的に州政府は、セブをより複雑かつ高度な知識が要求される「ナレッジ・プロセス・アウトソーシング(KPO)」の集積地にするという構想を発表しています。それを受けて、現在、ソフトウェア開発や医療情報管理といった高付加価値サービスを移管する企業が増えているのです。

 

さらに、セブではインフラ建設も進んでいます。

 

従来、フィリピンでは、ドゥテルテ政権のもと、「ビルド・ビルド・ビルド」という大胆な計画名で、大規模インフラ整備計画が着々と進められてきました。その流れが、セブにも拡大してきたのです。

 

2018年、フィリピン第2の国際空港である「マクタン・セブ国際空港」に第2ターミナルがオープンしました。それまで増大するビジネス・観光需要に逼迫していた空港ですが、乗降可能な旅客数が450万人から一気に1250万人に拡大。さらに人の往来が活発になることでしょう。

 

 第2ターミナルの誕生で、乗降可能旅客数が2.5倍に

第2ターミナルの誕生で、乗降可能旅客数が2.5倍に

 

また道路網の整備も進んでいます。現在、「マクタン・セブ国際空港」からセブの中心部へは車で30分程度で、セブ島とマクタン島は2本の橋で結ばれています。そこに第3橋が架かることが決まり、2021年に完成する予定です。さらに最近、“第四の橋”が架かることも決定し、セブ島とマクタン島のつながりが、さらに強固なものになると期待されています。

 

日本のODAにより1999年に完成した、マクタン島とセブ島を結ぶニューブリッジ。さらに第3、第4の橋が架かる
日本のODAにより1999年に完成した、マクタン島とセブ島を結ぶニューブリッジ。さらに第3、第4の橋が架かる

 

2022年には空港からセブ都市部への鉄道が開通します。高速バスターミナルも設置され、リゾートや都市部へのアクセスが、より簡単に、スピーディになります。2021~2022年には高速道路も完成し、渋滞緩和とリゾートへのアクセスは一段と向上するでしょう。

 

このようなインフラ整備は、どれほどのインパクトを与えるでしょうか。東京では山手線に新駅が誕生するとして、近隣の不動産価格は高騰しました。新駅ひとつで大きな経済効果をもたらしています。また大阪では万博を前に、会場となる夢洲を結ぶ鉄道網や道路網の整備が進行し、国内外の投資マネーが大阪へとシフトしています。

 

しかしセブのインフラ整備は、それらの何倍もの規模感で進んでいます。そのインパクトは計り知れず、また不動産市場にも大きなメリットをもたらしてくれることは、間違いありません。