不動産投資用「日本政策金融公庫」融資のメリット・デメリット

多くの金融機関おいて、不動産投資用の低金利の融資を行っていますが、そのほとんどが変動金利です。「日本政策金融公庫」なら固定低金利で融資を受けることが可能です。今回は、日本政策金融公庫の融資のデメリットや注意点について解説します。※本連載は、将来お金に困ることがないように、若いうちからできるライフプランニングに役立つ情報を紹介する「ライフプランnavi」の記事を抜粋、一部改変したものです。

借入期間最長10年を15年まで延長できる条件

日本政策金融公庫は、不動産投資で融資を受けられる金融機関の一つです。マイナス金利の影響で不動産投資ローンの金利も下がっており、多くの金融機関で低金利の融資を行っています。そのほとんどは変動金利ですが、日本政策金融公庫なら固定低金利で融資を受けることが可能です。

 

また、一定の条件を満たすと借入期間や金利優遇を受けられるメリットもあります。ただし、日本政策金融公庫の融資にはデメリットや注意点もあるので、利用する前に特徴を理解しておくことが大切です。

 

本記事では、不動産投資で日本政策金融公庫の融資を利用するメリット・デメリット、注意点について解説します。

 

まずは、不動産投資で日本政策金融公庫の融資を利用するメリットを四つ紹介します。

 

①固定低金利でローンを組める

日本政策金融公庫は、固定低金利でローンを組めるのが最大のメリットです。固定金利は金利上昇リスクがないので、将来金利が上がっても金利負担が増えることはありません。

 

日本政策金融公庫の国民生活事業のページを確認すると、2019年6月1日現在、担保を提供する場合の基準利率は年利1.16%~2.05%となっています。担保物件の評価額や個人の属性によっては、さらに金利が優遇されるケースもあります。

 

たとえば、初めて投資用不動産を購入する場合は、「新規事業への支援」という理由で金利を優遇してもらえる可能性があります。物件を購入する不動産会社の提携ローンの中に日本政策金融公庫が含まれていたら、融資を利用できるか確認してみましょう。

 

②女性、20代もしくは55歳以上の男性は優遇される

日本政策金融公庫では、通常の借入期間は最長10年間です。しかし、女性、20代もしくは55歳以上の男性なら借入期間を最長15年間とすることができ、金利優遇も受けられます(一般に融資が受けにくい層への優遇)。

 

借入期間が長くなると毎月の返済額が少なくなるので、あまり自己資金を用意できなくても家賃収入が返済額を上回り、毎月の収支がプラスになります。女性、20代もしくは55歳以上の男性という条件を満たす場合は、日本政策金融公庫の融資を積極的に利用しましょう。

 

③保証人が不要

金融機関の融資を利用するときに気になるのが、保証人ではないでしょうか。不動産投資に挑戦したいと思っても、銀行やノンバンクで融資を受けるには多くの場合、保証人が必要です。保証人はもしものときに返済を肩代わりする責任があるので、多くの人は保証人になることに抵抗があります。たとえ家族・親類であっても、保証人を引き受けてもらえないケースもあるでしょう。

 

しかし、日本政策金融公庫なら保証人不要でも相談可能なので、誰かに保証人をお願いすることなく不動産投資を始められます。ただし、保証人を付ける場合に比べて金利は高くなりますし、融資内容によっては保証人を求められることもあるので、面談の際に保証人について確認しておくことが大切です。

 

④繰上返済手数料が無料

繰上返済手数料は、融資を利用するうえで重要なポイントです。融資を利用して不動産投資をする場合、計画的に繰上返済をしていく方も少なくないでしょう。

 

繰上返済をするのに手数料が必要な金融機関もありますが、日本政策金融公庫なら手数料無料で繰上返済できます。

なるべく「頭金」を多めに入れるのがおすすめ

ここまで日本政策金融公庫のメリットを紹介してきましたが、デメリットもあります。

 

借入期間が最長10年~15年と短いので、どうしても毎月の返済額が大きくなります。そのため、借入金の返済額が家賃収入を超えてしまい、毎月の収支がマイナスになってしまうかもしれません。収支をプラスにするには、ある程度の頭金を入れて、借入金額を調整する必要があります。毎月の持ち出しに耐えられるなら、頭金を少なくして借りられるだけ借りても構いませんが、収支がプラスにならないと投資の効果を実感しにくいです。

 

毎月の収支がプラスになるように、なるべく頭金を多めに入れるのがおすすめです。

 

最後に、日本政策金融公庫の融資を利用する際の注意点について解説します。

 

日本政策金融公庫で融資を受けるには、家賃収入を得ることが目的の「不動産賃貸事業」であることが条件になります。売却益が目的で不動産投資をする場合は、融資を受けられないので注意が必要です。面談のときにも「不動産投資」という言葉は使わず、「不動産賃貸事業」と説明しましょう。「不動産賃貸事業」と聞くと法人への融資をイメージするかもしれませんが、個人でも融資してもらえます。

 

団体信用生命保険とは、借入返済中に万が一のことがあった場合に、保険金によって借入金の残債が全額弁済される制度です。日本政策金融公庫の融資では、団体信用生命保険の加入は任意となっているので加入を忘れないようにしましょう。元金均等返済、返済期間10年で1,000万円を借り入れた場合の保険料シミュレーション結果は以下の通りです。

 

[図表1]
[図表1]

 

日本政策金融公庫の団体信用生命保険は保険料が割高になるケースがあり、民間の生命保険(収入保障保険)で代用したほうが安く済むかもしれません。物件を購入する不動産会社で生命保険を取り扱っていることが多いので、保険料と比較したうえで、団体信用生命保険と民間の生命保険のどちらに加入するか検討するのがおすすめです。

 

ここまでご紹介したように、日本政策金融公庫の融資は、借入期間が最長で10~15年というデメリットがあるものの、一定の条件さえ満たせば低利率の固定金利で融資を受けられる非常に魅力的なものです。まずは自分が利用可能なのかを確認し、可能であればぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

 

 

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著者紹介

連載お金に困らない将来設計とは?今からできる「資産形成」の基礎

※本連載は、『ライフプランnavi』の記事を抜粋、一部改変したものです。