OYO TECHNOLOGY&HOSPITALITY JAPAN株式会社CEO 勝瀬博則氏

インド発のユニコーン企業である「OYO(オヨ)」が、国内最大手のインターネット企業であるヤフー株式会社と合弁会社を設立し、日本の賃貸住宅事業に本格参入した。IT化が遅れる日本の賃貸住宅市場に対し、敷金や礼金、仲介手数料は無料、契約手続きはすべてスマートフォンで完結するという賃貸サービス「OYO LIFE(オヨ ライフ)」で、暮らし方に新たな価値を提案するという。本連載では、ユーザーだけでなく不動産オーナーにもメリットが大きい「OYO LIFE」の取り組みについて、OYO TECHNOLOGY&HOSPITALITY JAPAN株式会社CEOの勝瀬博則氏に話を伺った。今回のテーマは「不動産オーナーがOYO LIFEに物件を託すメリット」である。

新たな価値を付加し、オーナーの不動産資産を守る

2016年に人口減少が始まったと発表された日本。毎年人口が30万人も減っていくなか、2018年の国内の新規住宅着工件数は90万戸にもなり、このままいけば、近いうちに住宅は完全に供給過多の時代が訪れる。国内には約300万人もの賃貸不動産オーナーがいるとされるが、ユーザー(借り手)の獲得競争はいっそう激しくなるだろう。

 

そのような状況下で、OYO(オヨ)は日本の賃貸住宅業界に参入を果たした。「IT化が遅れている日本の賃貸住宅事業は有望な市場だ」と、OYO TECHNOLOGY&HOSPITALITY JAPAN株式会社CEOの勝瀬博則氏は語る。OYOが提供するサービス「OYO LIFE」では、不動産オーナーから物件を預かり、家賃保証をしながら定期的なメンテナンスと資産の専門的な維持管理を行うというが、はたしてOYO LIFEに物件を預けることは、オーナー側にどのようなメリットをもたらすのだろうか? 

 

「OYO LIFEの強みは、オーナーから物件をお預かりし、その資産価値を守っていけることです」(勝瀬氏)

 

賃貸物件における資産価値は、その賃料という形で表れる。そして物件の経年劣化による賃料の下落=資産価値の低下が起こるなか、不動産オーナーが生き残っていくためには、ユーザーの要望に応えるために物件をアップデートして、常にその魅力を高める必要がある。しかも不動産オーナーの多くは兼業で、物件の管理に費やせる時間は限られている。そのような状況下で、所有する不動産の価値を上げるために、どのような投資をしていくかは、賃貸経営において大きな命題である。

 

「OYO LIFEは圧倒的なユーザーファーストのサービスです。デザインにこだわる、家具や家電をつける、ITやIOTの機器を導入するなど、物件に付加価値を与えるのはユーザーファーストの結果です。一方でユーザーの要望に応えていくことで、物件の資産価値は高まります。新たな価値を物件に付加させることは、オーナーの資産の価値を向上させ、守っていくことに繋がっているのです」(勝瀬氏)

 

家具家電・Wi-Fi、公共サービス付き、手ぶらで入居が可能な「OYO LIFE」
家具家電・Wi-Fi、公共サービス付き、手ぶらで入居が可能な「OYO LIFE」

 

そもそもOYO LIFEは、最新のテクノロジーを駆使しているサービスである。利用者の志向を分析し、時流にあったサービスを展開していく―― OYO LIFEに物件を預けていれば、自ずと資産価値が高まっていくような世界が築かれようとしているのだ。

 

またユーザーがインターネットを通じて、リアルタイムに空室状況を知ることができ、契約まで一気通貫して行えることは、オーナーにもメリットが大きいという。

 

「現在の不動産情報サイトのほとんどは、在庫共有システムではなく情報共有システムです。“ここに部屋があります”と表示されても、すでに契約されている場合があります。しかし閲覧者にはそれがわからず、問合せ先とされる不動産会社に連絡をして、初めてその物件が契約済みであることを知るのです。OYO LIFEのシステムは、リアルタイムで情報を更新しているので、契約済みの物件は瞬時にわかります。これはオーナーの物件を早く、安全に販売することにもつながります」(勝瀬氏)

 

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一都三県に不動産を持つオーナー必見日本の賃貸経営を変える、ヤフーの合弁会社「OYO LIFE」の全貌と次世代の不動産管理術

不動産の「ブランド化」による資産保全

物件の価値を向上させる鍵がもうひとつ。それは「ブランド」だという。

 

オーナーの苗字が入った「〇〇マンション」というマンションをよく見かけるが、それがどの程度の賃料で、どのようなデザインのものなのか、ユーザーはイメージできない。一方、都心にある高級ホテルと並んで建つレジデンスは、ホテルブランドを冠にしていることから、ホテル同様高級であることがすぐに伝わる。また大手ディペロッパーはそれぞれ独自にブランドを展開し、高級レジデンスという地位を確立している。そしてそのような物件は、ブランドが付いていない物件よりも資産価値が下がりにくい。賃貸住宅においてもブランドは資産価値を向上させ、守っていく大切な要素なのだ。

 

OYO LIFEのロゴは日本で作られたもの。今後、世界展開される際も
OYO LIFEのロゴは日本で作られたもの。世界展開の際も同じものが使われる

「OYOは現在、世界最速のスピードで成長している会社の一つで、おそらく2年後には、世界最大級のホテルチェーンになるでしょう。そのレジデンスサービスである『OYO LIFE』は、OYOが持っているブランドやテクノロジーを活用して展開していきます。そうすれば、日本人はもちろん、訪日外国人にもOYOが運営しているレジデンスということで、入居してもらえるようになるでしょう」(勝瀬氏)

 

また、OYO LIFEの主要株主が、国内最大手のインターネット企業であるヤフーであることも大きなポイントだ。

 

「インターネット人口が1億人を超え、人口普及率が83%強といわれている日本において、ヤフーの知名度は抜群です。OYO、あるいはOYO LIFEという名前を知らない人でも、日本人なら誰でもヤフーを知っている。ヤフーは東証一部上場企業で年間2千億円の黒字を出している優良企業であることでも知られています。物件を預けるオーナーにも、物件を借りるユーザーにも、安心していただける要素だと思います」(勝瀬氏)

 

さらに、今後、テレビや新聞の折り込み広告、インターネット上での大量の露出により、OYO LIFE自体の知名度向上を図っていくという。

 

「これからの時代の賃貸住宅経営は、安全・安心、そしてブランドの時代になっていきます。それはなぜか。ユーザーをめぐる競争が激しくなるからです。物件としての安全・安心性を高め、自分の不動産資産を守るという観点でどんなブランドと協業するか、これらを考えることが、今後の賃貸住宅経営の基軸になるのでないでしょうか」(勝瀬氏)

 

 

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取材・文/関根昭彦 撮影(人物)/関根明生
※本インタビューは、2019年4月17日に収録したものです。

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