近年、富裕層の資産防衛手段として日本ではかなり浸透してきた「アンティークコイン投資」。国内の大手販売業者として知られる株式会社ユニバーサルコインズは2017年11月に香港法人を設立し、2018年2月から現地オフィスもオープンしている。なぜ香港なのか、そして改めてなぜアンティークコイン投資なのか、代表取締役の西村直樹氏にお話を伺った。最終回は、アンティークコイン取引業者の選び方を解説する。

アンティークコイン業界では「売りっ放し」が常識!?

最後に、アンティークコイン取引業者を選ぶ際のポイントについて解説します。


最も注目したいのは、コインを販売するだけでなく、保管や買取りまで行ってくれる業者かどうかという点です。

 

 

一般の業者の場合、保管や買取りまで行っているところはほとんどありません。保管は購入者自身で、売却はオークションで行ってくださいといった感じです。ようするに、日本のアンティークコイン取引業界では「売りっ放し」が常識なのです。

 

証券会社であれば、投資家に株を売った後も、その株がどういう値動きをしているのか、そろそろ売り時なのか、まだ持ち続けたほうがいいのかといったことをアドバイスしてくれますし、売り注文も同じ証券会社が受け付けてくれます。投資家にとっては、買いだけでなく、売りまで面倒を見てもらえるほうが安心なのは言うまでもありません。

「適切な買取り価格」を提示できるか?

株式会社ユニバーサルコインズ
代表取締役 西村直樹氏
株式会社ユニバーサルコインズ
代表取締役 西村直樹氏

アンティークコインをオークションで売却する場合、市場の実勢価格と大きくかけ離れた価格で落札されてしまう可能性があります。落札価格が購入価格を上回ることもないわけではありませんが、下回った場合は損をしてしまいます。


そのうえ、オークションに出品するには落札価格の10~15%の手数料を支払わなければなりません。いくらで売れるかが不透明であるのに加え、手数料によって大きなロスを被ってしまうことも考えられるわけです。


その点、ユニバーサルコインでは販売・保管・買取りまでのすべてを行っており、買取りのご希望をいただいたときには、市場の実勢価格に応じて、適切な買取り価格を提案しています。販売の代行は、手数料も5.4%と割安です。


提案した買取り価格でお客さまが納得された場合は、責任を持って購入希望者を見つけ、取引を仲介させていただきます。当社が提案する価格よりも高く売りたいという場合は、多少時間が掛かるかもしれませんが、お客さまのご要望に沿って購入希望者をお探します。

 

 

ただコインを提供するだけでなく、その取り組みを通じてお客さまの資産形成を応援することが、わたしたちの使命であると考えているからです。

 

その考えのもと、私たちはアンティークコイン投資を含めたお客さまのトータル資産運用支援を行っています。香港で資産運用をする場合、税務上の問題をクリアしなければならないこともあるため、国際税務に精通した税理士も紹介いたします。

 

アンティークコインは、その時代ごとの権力と繁栄の象徴であり、1枚1枚のコインには、それぞれの歴史そのものが刻み込まれています。そうした歴史を自分の手にすることができる満足感が得られることから、資産防衛策のひとつとしてだけでなく、持つ人に心の豊かさを与えてくれる存在だと言えます。

 

私たちは、1つ1つのアンティークコインが持つ深い歴史や想いを伝えるため、京都の美術館で特別展示会を開催するといった取り組みも行っています。より多くの方に、アンティークコインが持つ資産保全の効果はもちろんのこと、「歴史に想いを馳せる」ことが心に余裕をもたらす効果を実感していただければと思います。

 

フォーエバー現代美術館×UNIVERSAL COIN特別展
出典:株式会社ユニバーサルコインズ提供資料
フォーエバー現代美術館×UNIVERSAL COIN特別展

取材・文/渡辺賢一 撮影(人物)/永井浩
※本インタビューは、2018年5月10日に収録したものです。