資産ポートフォリオに不可欠な「現物資産」だが・・・
今回は、アンティークコイン投資の魅力について、詳しく解説しましょう。
アンティークコインは、不動産や金と同じ現物資産です。よく言われるように現物資産はインフレに強く、たとえ通貨が下がっても、その価値が下がることはほとんどありません。そのため、世の東西を問わず資産家と呼ばれる人々は、預金や株といった金融資産のほかに、必ず現物資産を資産ポートフォリオに組み入れてきました。
しかし、不動産は文字どおり動かすことのできない財産ですし、重い金塊を運ぶのも容易ではありません。その点、コインはポケットに入れて簡単に持ち運べます。昔の欧州の貴族や富裕層は、戦争や政変などが起こったときには資産をコインに換え、ポケットに忍ばせて国外に逃げ出すこともあったようです。
地政学リスクが高まっている現代においても、戦争などで資産を一瞬にして失う危険はまったくないとは言えません。また、仮にこの先日本の信用が著しく低下すれば、円売りによって急激なインフレが進み、金融資産の価値が失われてしまう危険もあります。
アンティークコインのように、インフレに強く、持ち運びもしやすい現物資産を持っておけば、世の中がどうなっても大事な資産をしっかりと守り続けることができそうです。
発行枚数が限定・・・値上がり益が期待できるコイン
このように、資産保全効果が高いことがアンティークコインの大きな魅力ですが、もうひとつ見逃せない魅力があります。それは大きな値上がり益が期待できることです。
わかりやすく説明するため、投資対象として人気の高いコインである「メイプルリーフ金貨」や「クルーガーランド金貨」などの金貨と比べてみましょう。
これらの金貨は、基本的に金そのものの価値で価格が決定するので、1枚の金貨の価格はせいぜい数十万円といったところです。これに対し、アンティークコインは安いものでも数百万円、高いものは数千万円から数億円もします。
この違いはどこから来るのでしょうか?
価格の違いをもたらしている最大の理由は希少性です。「メイプルリーフ」などの金貨は数万枚、数十万枚と大量に発行されますが、アンティークコインは世界中に数百枚、数千枚しかありません。第1回で紹介した「ウナとライオン」などは、わずか400枚です。
しかも、普通の金貨はこれからもどんどん発行されますが、アンティークコインは絶対に増えません。ですから、ニーズが高まれば価格も上がり続けることになります。発行時にわずか5ポンドだった「ウナとライオン」が、約180年後の今日に数億円で取引されていることを考えれば、値上がりの勢いのすごさがわかるのではないでしょうか。
もちろん、すべてのアンティークコインがこれほど大きく値上がりするわけではありませんが、購入するコインを厳選すれば着実な値上がり益が期待できます。
ユニバーサルコインでは、20万種類以上あるアンティークコインの中でも「100年以上前に発行され、発行枚数が1万枚以下のもの」に限定してお客さまに提供しています。この条件を満たしたコインであれば希少性は十分に高く、今後のニーズの高まりとともに着実に値上がりしていくだろうと見ているからです。
ところで、残念ながらアンティークコインには、ほかの資産に比べると不利な点もあります。それは、金利や配当などのインカムを生まないことです。株式なら値上がりしなくても配当を受け取れますし、同じ現物資産でも、賃貸用不動産を取得すれば家賃収入が得られます。
その代わり、不動産のように持ち続けることによって固定資産税などの税金が掛かることはありませんし、管理・修繕などの手間や費用とも無縁です。手軽に持ち続けることができるのも、アンティークコインの大きな魅力のひとつと言えそうです。
さらにアンティークコインには、ほかの資産にはないもうひとつの隠れた魅力があります。それは「歴史に想いを馳せることができる」という点です。
アンティークコインには、大英帝国時代の記念コインのほかに、ドイツのハプスブルク家が発行したコイン、古代ギリシャや古代ローマのコインなど、さまざまな種類があります。コインはその時代ごとの権力と繁栄の象徴であり、1枚1枚のコインには、それぞれの歴史そのものが刻み込まれているのです。
世界のコレクターたちがアンティークコインに魅了されるのは、そうした歴史を自分の手にすることができる満足感が得られるからだと思います。アンティークコインは単なる資産ではなく、持つ人に心の豊かさを与えてくれる存在だと言えます。
アンティークコインの不思議な魅力に取り付かれる人は、年を追うごとに増えています。それによるニーズの高まりがアンティークコインの価値をどんどん高めているのです。