企業オーナーの事業投資先のなかでも、高い利回りが見込めるコインランドリー事業投資。店舗の出店先として注目を集めるのが「商業施設」だ。本連載では、株式会社ジーアイビー代表取締役の鈴木衛氏に、「コインランドリー事業」の最新事情を伺った。最終回は、「コインランドリー事業」の未来を考察する。

長期間安定して稼ぎ続けるビジネスとは?

我々が展開している、商業施設内への出店に特化したコインランドリー店舗「ブルースカイランドリー」は、形式的にはコインランドリー事業のフランチャイズビジネスということになるでしょう。しかし、世の中でよく見られるような、本部だけが大きく儲ける普通のフランチャイズビジネスとは一線を画すものです。

 

なぜなら、長期間安定して稼ぎ続けているビジネスは「必ず誰かの役に立っている、人を笑顔にしているビジネス」だからです。これは決して精神論的なお題目として述べているのではなく、経済合理性の話として当然のことです。

 

たとえば、お子さんのアレルギー疾患の苦しい症状が抑えられる、忙しいお母さんの家事を軽減できる、雨が続いてもふかふかの布団で気持ちよく眠れる、こういったことはすべて「人の笑顔を生む」と思いませんか?

 

 

そもそも汚れているものを綺麗にすることは、人間にとっての本能的な喜びに通じます。その喜びを生み出すのが、コインランドリービジネスなのです。一度その気持ちよさ、快適さを知ってしまったら、人間はもう元には戻れません。50年前にはコンビニもインターネットも存在しませんでしたが、今ではそれがない生活は考えられないのと同じです。

 

本連載の第5回で、「ブルースカイランドリー」ではオープン後、1日に原則として3時間、パートさんが店舗に常駐し、清掃や顧客対応を行うと述べました。その管理等はすべて本部で対応しますので、日々、パートさんたちと密接なコミュニケーションを取っているのですが、皆さん、本当に生き生きと働いてくれています。

 

生き生きとしているだけではありません。店舗の状況等で気がついた点があれば、改善のために自らアイデアを出し、行動してくれています。例えば、パートさんたちから「大きなビニール袋を支給してほしい」という依頼がありました。理由を尋ねると、せっかく羽毛布団を洗濯してふかふかになったにも関わらず、その大きな布団を引き摺るようにして車まで運ぶお客様があまりにも多いからとのことでした。羽毛布団が入るくらい大きなビニールを店舗に備えておけば、雨の日でも濡れずにふかふかのまま「笑顔」で持ち帰っていただくことができます。

 

現在「ブルースカイランドリー」では、お客様にご使用いただけるビニールを全店舗でご用意していますが、こうしたパートさん発の取り組みが、より快適なコインランドリーづくりにつながり、それが事業としての収益アップにつながっていくという理想的なサイクルを生んでいます。コインランドリービジネスの本質が「人の笑顔を生む」ものだからこそ、パートさんたちのモチベーションも必然的に上がるのだと思います。

「コインランドリーのある生活」を提案するビジネス

コインランドリーのある生活は、確実に我々の生活を変えていくでしょう。それは決して後戻りできないものです。その生活を知った人は、コインランドリーをずっと利用するでしょう。

 

冒頭で、普通のフランチャイズビジネスとは一線を画す、と言った答えが、ここにあります。我々のビジネスは「コインランドリーのある生活」、そういうライフスタイルを提案し、普及させていくビジネスなのです。

 

 

株式会社ジーアイビー
代表取締役 鈴木衛 氏
株式会社ジーアイビー
代表取締役 鈴木衛 氏

このビジネスは、まだ始まったばかりです。コインランドリー業界自体が、ガラパゴス的に遅れた業界であったことから、ITを活用したイノベーションによって大きく飛躍する余地があり、その意味では圧倒的な伸びしろを持つ市場です。

 

その一方、我々が専門的に行っている商業施設に出店するというスキームには、その出店余地には限りがあり、「椅子取りゲーム」のように早い者勝ちの状況となっています。このスキームの利用を検討される方は、ぜひ早めにご検討いただければと思います。

 

ただし長期的には、商業施設へのコインランドリー店舗の出店を増やしていくことが「最終目標」だとは、まったく考えていません。商業施設内のコインランドリー店舗とシナジーを生み、Win-Winとなるような、次のビジネスをいくつか構想しています。それによって、コインランドリーのある生活と、そこから生まれるお客様の笑顔が、ますます広がっていくことは間違いありません。

 

我々の「ブルースカイランドリー」に参画いただく企業オーナーや投資家の方々には、コインランドリー事業投資によって確実な「旨み」を得ていただきながら、ぜひ我々の次の展開にも注目してもらいたいと考えています。その新たな取り組み一つ一つが、皆さまの次の笑顔を生むということを、私は確信しています。

取材・文/椎原芳貴 撮影(人物)/佐山順丸
※本インタビューは、2018年4月5日に収録したものです。