人口減少に伴う空室率の上昇、金融機関による不動産向け融資の引き締めなど、国内不動産の先行きに不安を抱く投資家も少なくないが、戦略・実践次第では、まだまだ安定的な収益や節税効果が期待できる。本企画では、未曾有の低金利時代だからこそ実行可能な、「借入」を駆使し、効率性に優れた「国内不動産レバレッジ投資」のポイントを、株式会社エストアンドカンパニー 執行役員 櫻井祐輔氏に解説していただく。最終回は、レバレッジ不動産投資で鍵となる「出口戦略」の組み立て方についてお話を伺った。

投資のスタート時から出口を見据えることが不可欠

――不動産投資の大きなデメリットの1つに流動性の低さがあります。モノがモノだけに、売りたいときに必ずしも売れるわけではありませんが、その辺りの対策はどのようにお考えですか?

 

株式会社エストアンドカンパニー
執行役員
櫻井祐輔 氏
株式会社エストアンドカンパニー
執行役員 櫻井祐輔 氏

櫻井 ローンを抱えながら現金化したい、入居率が下がった、修繕が多くコスト的にマイナスになってきた…など、長期にわたって物件を所有していれば、そうしたさまざまな要因により、売却のニーズが発生するケースもあります。しかし、それも買いたい人が見つからない限り、かないません。ですので、売却をスムーズに行うためには、投資のスタート時から出口を見据えることが必要です。

 

――RCにこだわるのも、そうした出口戦略を見据えているからですね。

 

櫻井 売りたいときに、すぐに売れる物件を紹介するのが当社のポリシー。そのような物件が出るまでは、お客様に物件を紹介することはないですし、安易にハードルを下げたりはしません。

 

――実際のところ、物件を所有する投資家はずっと持ち続けるものなのですか? 

 

櫻井 いろんなお客様がいらっしゃるので、一概には言えません。老後の収入源の確保を目的に投資をされているお客様は、物件を持ち続けるケースが多いかもしれません。繰上げ返済で完済することによって、残りの期間は丸ごと収入になるので、それで暮らしていくというイメージですね。

 

ただ、物件を多数お持ちの方であれば、適切な時期に売却し、利益を確定させ、同じ条件の新しい物件を購入したほうが投資効率は良いというのも事実です。個人的には10年単位で回すのがいいのかなと考えています。

 

耐用年数を過ぎたRCでも収益性があれば売れる⁉

――でも、RCも古すぎると価値がなくなってしまいますよね。

 

櫻井 RCの耐用年数は47年ですが、これを過ぎると価値がゼロになるというわけではありません。長く所有できるのが、RCの良いところ。物件がどれぐらい耐久性があるのかは、修繕の有無によって異なってきます。特に区分マンションなどは、管理のルールが決まっており、定期的にメンテナンスをしっかり行っているため、100年以上もつとも言われています。

 

――ただ、あまり築年数が経過していると、耐用年数の問題もあって、ローンが組めなくなってしまうのでは?

 

櫻井 確かに融資が付きにくくなるので、売り抜けるのが難しいのは事実。しかし、キャッシュフローが回っているという前提があれば、実は築年数を経過していても売れるんです。

 

――具体的にどういうことですか?

 

櫻井 一部の銀行の中には、利回りが高い物件であれば築年数は問わずに融資をしてくれるところがあります。もちろん、このような銀行は金利も高いので審査基準が緩く、年収や自己資産がそれほど多くない人たちが利用しています。たとえ古いRCでも収益が上がるのであれば、そうした人たちが高金利でローンを組んで買ってくれるんです。

 

古くて物件価格自体が高額ではないため、高金利でローンを組んでも家賃収入で十分ペイできます。ですので、きちんとメンテナンスされたRCであれば、実際には古くても買い手に困ることはありません。

 

――資産家が低金利を利用して購入した物件が古くなり、今度はその物件を資産家でない人たちが高金利のローンで購入して再び収益を得るという構造、というわけですね。

 

櫻井 不動産投資でも、自己資産を持っている人は“いいとこ取り”なんです。資産のある人とない人では金利差も最大4%もあるんですよ。この金利差は返済時にボディーブローのように効いてきて、たとえば10年返済して物件を売却した場合、低金利の人は元金を3分の1ぐらい返済できているのに対し、高金利の人は元金の返済は6分の1程度。

 

資産を持っている人は、投資においても有利ですし、効率的に資産を形成することができます。だからこそ、当社では「まずは早期に区分から始め、1,000万円の収入を作っていただいた段階で一棟にチャレンジしてください」とお願いしています。

 

 

取材・文/牧 隆文 撮影/永井 浩(人物)
※本インタビューは、2018年2月5日に収録したものです。