レバレッジ不動産投資で勝つための「物件選び」のポイント

人口減少に伴う空室率の上昇、金融機関による不動産向け融資の引き締めなど、国内不動産の先行きに不安を抱く投資家も少なくないが、戦略・実践次第では、まだまだ安定的な収益や節税効果が期待できる。本企画では、未曾有の低金利時代だからこそ実行可能な、「借入」を駆使し、効率性に優れた「国内不動産レバレッジ投資」のポイントを、株式会社エストアンドカンパニー 執行役員 櫻井祐輔氏に解説していただく。第5回目は、レバレッジ不動産投資で勝つための「物件選びのポイント」についてお話を伺った。

オーナーと直接交渉して「非公開の物件」を調達

――今回は、物件を選ぶポイントについてお話をお聞かせください。

 

櫻井 第2回でも申し上げましたが、当社の扱う物件は区分が東京23区内、1棟ものが1都3県の中古RCです。しっかりと現地調査しているので、立地的に問題がないのは言うまでもなく、修繕履歴もチェックし、物件によっては売買にあたり売主が修繕を行い、最低でも10年ぐらいは大きな問題が起きないであろう状態で、お客様にはご紹介しています。

 

――一般には非公開の物件が多いとのことですが、どのように物件を調達しているのですか?

 

櫻井 一般のオーナーさんと直接交渉したり、競売物件や銀行から回ってきたりするものもあります。優良物件をリストアップして、1軒1軒謄本を上げて、物件のオーナーさんへ直接アプローチをかけます。他社さんでここまでやっているところは、ほとんどないと思います。

 

――RCにこだわるのには理由があるのですか?

 

株式会社エストアンドカンパニー
執行役員
櫻井祐輔 氏
株式会社エストアンドカンパニー
執行役員 櫻井祐輔 氏

櫻井 銀行によって異なりますが、基本的に「ローン期間=法定耐用年数-築年数」というのが一般的な考えです。木造や鉄骨だと耐用年数の関係で融資を受けづらい。木造だと耐用年数が22年なのですが、たとえば築10年の木造物件を購入した場合、12年と返済期間が短いため返済比率が高くなってしまい、キャッシュフローに悪影響を与えてしまいます。

 

また、売却に関しても不利です。この物件を5年後に売却したいとなると、買い手は7年ちょっとのローンしか組めないので、金額を相当下げないと売れません。しかしRCならば、こうした心配は無用です。

 

――エリアは首都圏ということですが、やはりターミナル駅などから至近の物件だったりするのでしょうね。

 

櫻井 収益性とのバランスがあるので、必ずしもターミナル駅というわけではありません。千葉や埼玉といえども、ターミナル駅から徒歩5分といった物件だと東京並みに価格が高くて、割に合いません。そもそもターミナル駅周辺は商業地なので、物件価格が高額すぎて一般の人には手が出せないですからね。

 

一番いいのは中心部から少々離れていても、都内のターミナル駅にダイレクトにアクセスできるような立地。ターミナル駅に直接行けない沿線の物件は、当社では扱いません。また、東京近郊であっても、大学や企業の工場など、特殊な状況や環境に依存している物件も扱いません。そうした物件は、学校や工場が移転したら、あっという間に入居率が落ちてしまいますからね。そういうものに依存しなくても、しっかり入居率を維持できる物件が望ましいですね。

 

空室保証に頼らないように「入居者が付く物件」を厳選

――利回りについては、どのように考えていますか?

 

櫻井 こちらも第2回でお話しましたが、不動産投資を通して、お客様が何をされたいのかが重要です。まず最適なプランや物件、融資条件などの戦略を熟考し、その先に「利回り」があるという考え方です。いくら利回りを計算しても、入居者がいなければ絵空事になります。

 

――最近は空室保証をめぐって、物件のオーナーと一部デベロッパーとの間でトラブルになっています。現在は満室の物件でも、物件の経年劣化や設備の陳腐化などによって、将来的に入居率や家賃が下がったりして、想定していた収益が得られないリスクもあります。

 

櫻井 そのようなリスクは当然ありますので、そうしたリスクを積極的に開示し、最悪なケースをシミュレートできているかが大事。東京の物件は新築から中古になって5年ぐらい経過すると、家賃はほぼ横ばいになります。区分マンションの良いところは、共用部分などの大規模修繕は各オーナーがお金を出し合って強制的に行われるので、ずっとリニューアルを繰り返すことができる点です。

 

そして築年数が経過しても、立地が良ければ長期にわたって家賃は維持できます。また、保証に頼るのはよくありません。空室保証はすごく魅力的に映る反面、保証会社が潰れてしまった場合、自分もお手上げになってしまう。これはすごくリスクが高いので、ちゃんと入居者が付くような物件に投資しなければなりません。

 

――しかし、ここまで物件を厳選していると、なかなかお眼鏡に適う物件は見つからないのではないですか。

 

櫻井 実は、そうなんです。今、当社の一番の悩みは、投資をやりたいというお客様はごまんといらっしゃるのですが、それに応えられる物件がなかなかないということなんです(笑)。

 

 

【エストアンドカンパニー 一棟マンション事例】
埼玉県さいたま市大宮区
鉄筋コンクリート造 5階建て

2億9000万円
店舗・住宅
総戸数15戸(店舗×3戸、ファミリー住戸×12戸)
平成14年11月築
満室想定利回り 7.45%

 

埼玉県川口市
鉄筋コンクリート造 5階建て

3億1800万円
住宅
総戸数19戸(ファミリー住戸×19戸)
平成8年3月築
満室想定利回り 7.81%

 

東京都小金井市
鉄筋コンクリート造 4階建て
住宅

3億8400万円
総戸数20戸(ファミリー住戸×20戸)
平成9年4月築
満室想定利回り 7.14%

 

※こちらの事例はあくまで一部です。

 

株式会社エストアンドカンパニー 執行役員

千葉県柏市出身。大手投資不動産会社を経て2017年に株式会社エストアンドカンパニーの立ち上げに参加。同社執行役員に就任。10年以上投資用不動産のコンサルティング業務に従事し、延べ2,000名以上の顧客に対して不動産を通じたライフプランの提案を行い、4,000件以上の不動産売買取引を行う。中立的な投資コンサルティングを目的とした株式会社エストマーケティングの代表も兼務。

著者紹介

連載2018年最新のファイナンス戦略を駆使! 国内不動産レバレッジ投資による資産形成術

取材・文/牧 隆文 撮影/永井 浩(人物)
※本インタビューは、2018年2月5日に収録したものです。