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連載「中古一棟買い」で成功する不動産投資【第6回】

なぜ「新築区分マンション」を購入してはいけないのか?

収益物件管理費修繕積立金

なぜ「新築区分マンション」を購入してはいけないのか?

今回から不動産投資における収益物件の具体的な選び方を見ていきます。まずは「新築区分マンション」の購入について考えてみましょう。

「新築区分」への投資は活況を呈しているが・・・

前回までは投資の判断材料として最低限おさえておくべき指標を解説しました。ここからは、どのような分類の収益物件を購入すればいいのかを具体的に考えてみましょう。

 

景気回復によって不動産価格が上昇する現在、とりわけ単身用新築区分マンションへの投資が活況を呈しています。この好機を逃すまいと、販売会社は見込み客へのセールス電話に力を入れているようですが結論から申し上げると、新築区分には絶対に投資をしてはいけません。筆者の会社に相談に来られるお客様のなかにも同様のセールス電話を受けたり、既に新築区分マンションを購入してしまったりといった方がいました。

 

大阪在住のAさんは、既に同様の物件を2戸購入している会社の上司からすすめられ、新築区分マンションを購入しました。とりあえず話だけでもと思い、販売会社の話を聞くことにしたところ、会社の上司のほか、業者の担当者が東京から大阪までやってきたそうです。そして、二人から積極的なプッシュがあり、「周りもやっているし問題ないだろう」と考え、すぐ契約してしまったのです。

収入と支出のバランスを正確に把握してみると・・・

訴求ポイントは次の2点です。
①月々わずかの負担でマンションオーナーになれる
②節税ができる

 

果たして、本当にそれらのメリットが受けられるのか、Aさんの物件をもとにみていきましょう。


オーナー:Aさん・35歳 大手メーカー勤務
年収:800万円
現預金:200万円
(保有物件)
データ:東京都大田区 平成25年築 投資用区分マンション
購入価格:2500万円
家賃収入:100万円/年(一括借上による家賃保証付)
借入金額:2500万円
金利:2.1%
期間:35年間

 

購入をすすめた二人は、毎月1万2500円ほどの自己負担で、東京で資産が持てるメリットを訴求してきました。しかし、収入よりも支出(返済・運営費)のほうが多く、不足分の1万2500円は手持ち資金から出ていくとのことでした。実際はどうなのか、年間、2年目以降の本物件の簡単な収支をみてみます。


(収入)
家賃:100万円
(支出)
借入返済:101万円管理費・修繕積立金など:10万円
固定資産税・都市計画税:4万円
収支:▲15万円(月あたり1万2500円の持ち出し)

 

まずは、不動産投資の面からです。月々1万円程度の自己負担でマンションが持てると聞くと、毎月の支払総額も1万円ほどでいいのかという錯覚に陥る人もいるかもしれません。しかし、借入の返済があるので年間の返済総額は101万円であり、それを家賃収入から充当する仕組みとなります。

 

また、家賃収入でほぼ返済できるのならいいかと思われる方もいるかもしれません。しかし、こちらも仮に空室が出れば、家賃保証がついているうちは良いのですが、次の入居者が決まるまで毎月9万円弱の返済金を自己資金から捻出しなければなりません。

 

加えて管理費や修繕積立金など、新築時は年間10万円となっていますが、この先3〜5年サイクルでどんどん上がっていくので、負担は大きくなる一方といえるでしょう。

 

次回は、節税面から考えてみましょう。

本連載は、2014年11月4日刊行の書籍『はじめての不動産投資 成功の法則』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

藤原 正明

大和財託株式会社 代表

昭和55年生まれ。三井不動産レジデンシャル株式会社を経て、収益不動産に特化した事業を展開する武蔵コーポレーション株式会社で収益不動産の売買仲介および賃貸管理業務についての実務経験を積む。
平成25年に独立して大阪市内に大和財託株式会社を設立。
収益不動産を通じて、購入から運用・売却まで一貫した資産形成をサポートしている。
特に、物件情報をすべて数値化し、資金調達、物件購入、管理運用から売却までを視野に入れた収支シミュレーションに定評がある。
管理物件の平均入居率は98パーセントを誇る。

著者紹介

連載「中古一棟買い」で成功する不動産投資

はじめての不動産投資成功の法則

はじめての不動産投資成功の法則

藤原 正明

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