不動産投資におけるIRR(内部収益率)の活用法

投資のリスクを最小限に抑えるために大切なことは、机上の空論ではなくリアルな数字でのシミュレーションです。

お金の「現在価値」をどう考えるか?

返済期間によって保有期間中のキャッシュフローは変わるが、売却までを考えると最終的に受け取る利益総額はほぼ同じということを確認しました。しかし、投資に対する利益総額が同じということは、どちらの投資のパフォーマンス(効率)も同じといえるのでしょうか。

 

不動産投資をお金の出入りで見てみると、購入初年度は物件購入金額や諸費用でお金が大きく出ていき、2年目以降はキャッシュフローが生まれ、最後は売却することでまとまったお金を手に入れることができます。

 

ここで、出てくるのがお金の現在価値の考えです。先ほど述べた通り、いまの100万円と10年後の100万円ではどちらの価値が高いかということです。結論から申し上げれば、現在の100万円の価値が高いわけです。なぜならいま100万円あれば、ほかの物件を物件購入の資金にあてたり、他の投資を行ったりすることで、さらに現金を増やすことができるからです。

 

お金の現在価値の考えがあれば、売却後に最終的に受け取る利益総額が同じでも、なるべく早くお金を手にしたほうが、投資としては良いということはご理解いただけると思います。

やはり大切なのは保有期間中のキャッシュフロー

現在価値までを考慮し、投資効率を図る指標として内部収益率(IRR)があります。
内部収益率はエクセルでIRR関数を用いると簡単に計算できます。

 

厳密な定義としては、「正味現在価値がゼロとなるときの割引率」となりますが、投資家が利用する際には、定期預金(複利)をイメージするとよいでしょう。たとえば、IRR5%となれば、金利5%の定期預金に預けているときと同じ運用ができているということです。

 

内部収益率を用いて、前述の借入期間が異なる2つの投資を評価してみます。途中の計算は割愛しますが、次のようになりました。

 

借入期間20年の場合(税引後で計算)
 内部収益率IRR=6.63% (利益総額は3060万円)

借入期間30年の場合(税引後で計算)
 内部収益率IRR=8.97% (利益総額は2982万円)

 

この結果からわかることは、内部収益率でみても保有期間中のキャッシュフローが大切ということです。この場合は、融資期間を長くとることが大切です。

 

このように、多くの投資指標を見てきましたが、不動産投資を行うには、数字を根拠に投資判断することが大切です。

 

当社では、机上の空論ではなくリアルな数字を基に投資をシミュレートし、お客様に提案しています。もちろん、想定通りに運用し売却までできると確約できるものではありませんが、少なくとも初期設定の段階で大きく失敗をするリスクは限りなく小さくすることができます。

本連載は、2014年11月4日刊行の書籍『はじめての不動産投資 成功の法則』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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連載「中古一棟買い」で成功する不動産投資

大和財託株式会社 代表

昭和55年生まれ。三井不動産レジデンシャル株式会社を経て、収益不動産に特化した事業を展開する武蔵コーポレーション株式会社で収益不動産の売買仲介および賃貸管理業務についての実務経験を積む。
平成25年に独立して大阪市内に大和財託株式会社を設立。
収益不動産を通じて、購入から運用・売却まで一貫した資産形成をサポートしている。
特に、物件情報をすべて数値化し、資金調達、物件購入、管理運用から売却までを視野に入れた収支シミュレーションに定評がある。
管理物件の平均入居率は98パーセントを誇る。

著者紹介

はじめての不動産投資成功の法則

はじめての不動産投資成功の法則

藤原 正明

幻冬舎メディアコンサルティング

東京五輪による地価上昇の影響もあり、注目を集めている不動産投資。 しかし、実際に投資をはじめようとしてもはじめての人には分からないことだらけでなかなか手が出ない、ローリスクと聞いて始めてみたけれど、成功というに…

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