前回は、賃貸経営をする上で重要となる「キャッシュフロー」について説明しました。今回は、金利にこだわらないほうが良い物件を買える理由と、自己資金が少なくても銀行の融資を受けられる方法について見ていきます。

金利にこだわらないほうが「投資の幅」は広がる!?

借入金利が一見高くても、返済期間も考慮に入れることでイールドギャップを大きく取ることができ、キャッシュフローが回りやすくなるというのは前回紹介した通りです。キャッシュフローや投資効率を考えると、あくまで「返済期間は長く」が基本でした。

 

金利にこだわり過ぎると、優良物件が買えなくなる可能性もあります。たとえば金融資産が5000万円以上ある方は、メガバンクをはじめとしたプロパー融資を金利1%台かそれ以下と好条件で利用できます。

 

しかし、メガバンクなどの融資審査に通るのは、いわゆる〝きれいな物件〟、具体的にいえばRC造で検査済証のあるような物件です。関西によくある違法物件の審査が通ることはまずありません。

 

そうすると、たしかに金利負担は抑えられるかもしれませんが、〝きれいな物件〟は物件価格が高い、つまり利回りが低い傾向にあります。結局、金利1.0%台で1億円を投資しても、税引後の手残りが100万円程度、といった状態に陥りかねません。

 

一方、金利は3.0%以上と高めではあるものの、違法物件を含めていろいろな物件に融資を行う金融機関もあります。そうした金融機関を利用すれば、利回り10%以上の物件も豊富に選べるため、同じ1億円の物件を金利3.0%以上の融資を利用して購入しても、税引後の手残りを250万円程度にすることも可能なのです。

 

不動産投資の目的は、借入金利を抑えることではありません。「金額」「金利」「期間」を考慮に入れて融資を受け、その資金を投じて投資効率の良い物件を購入する。そして税引後のキャッシュフロー最大化を図った上で、得た利益で将来ビジョンの達成を目指す。これが、不動産投資の本来の目的であるはずです。金利のみにこだわり過ぎると投資の幅を狭め、目的達成から遠のいてしまいかねません。

 

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融資を受けやすいのは自己資金がある人だが・・・

ここまで金融機関から融資が受けられる前提で話を進めてきましたが、当然ながら誰でも借入ができるわけではありません。融資を受けやすい人、受けにくい人の違いは何でしょうか。

 

まず金融機関全体でみると、融資を受けやすいのはズバリ、自己資金を蓄えている人です。たとえ年収が低くても、一定の自己資金があれば融資は引けます。

 

どの程度の自己資金が必要かといえば、最低500万円以上、物件価格1割以上と考えてください。たとえば自己資金が500万円あると、3000万〜4000万円程度のアパートは買えます。その物件でキャッシュを蓄積し、不動産ポートフォリオを組んでいくのです。

 

一方、融資を受けにくいのは、自己資金を蓄えていない人です。年収が1000万円以上あっても、自己資金が100万円程度だと審査はかなり厳しくなると心得てください。金融機関が自己資金を重視する理由は、きちんと返済してくれる人なのかどうか、つまり人物像をみているからです。お金を貯めている人ということは計画性のある人であり、返済も滞りなくしてくれるだろう、そんな一定の評価につながるわけです。とくに地方銀行や信用金庫、信用組合は自己資金で人物像を評価する傾向が強いです。

 

しかし、自己資金が少ない方でも、融資を受けることができるのがアパートローンです。ただし、その場合年収が重視されるため、最低でも500万円は必要となり、年収の低い人はアパートローンさえも使えないということです。

 

また、アパートローンを利用する場合は勤務先の情報も重要です。勤めている会社が借り手の信用につながるからです。

 

プロパーローン、アパートローンのほか、政府系金融機関の日本政策金融公庫(日本公庫。以降、国金)から融資を受けるという選択肢もあります。国金では事業性のローンを利用するため、不動産賃貸業としての事業計画書をいかに作成するかがポイントの一つです。当社の事例では、自己資金が少ない専業主婦の方でも融資を受けることができたケースがあります。その方は、自己資金が200万円以下でしたが、事業計画書作成のお手伝いしたところ、問題なく融資が下り3000万円のアパートを購入されました。

 

あるいは年収400万円のサラリーマンの方が、3000万円のアパートを国金でフルローンの融資を受けて購入された例もあります。プロパーローンもアパートローンも難しいサラリーマンや主婦の方、あるいはフリーランスの方でも、国金を利用すれば物件を購入する道が開けるのです。

 

国金は誰でも利用できますが、とくに、30歳以下の若者、女性、55歳以上の方に対しては、金利・期間の優遇があるため、条件に適合する方は積極的に利用することをおすすめします。

 

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本連載は、2014年11月4日刊行の書籍『はじめての不動産投資 成功の法則』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

はじめての不動産投資成功の法則

はじめての不動産投資成功の法則

藤原 正明

幻冬舎メディアコンサルティング

東京五輪による地価上昇の影響もあり、注目を集めている不動産投資。 しかし、実際に投資をはじめようとしてもはじめての人には分からないことだらけでなかなか手が出ない、ローリスクと聞いて始めてみたけれど、成功というに…

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